風間俊介×松岡茉優で味わう坂元裕二 朗読劇2024「忘れえぬ 忘れえぬ」
『カルテット』(’17)、『花束みたいな恋をした』(’21)、『怪物』(’23)など、数多くの作品を手掛ける脚本家・坂元裕二が、作・演出を行う『坂元裕二 朗読劇 2024』が11月24日(日)に日経ホールで上演される。 脚本家・坂元裕二といえば、映画『怪物』でカンヌ国際映画祭脚本賞(2023年)の受賞という華々しい快挙が記憶に新しいが、今度は最もシンプルな朗読劇という形で坂元作品を楽しめる機会だ。 問題を抱える少年の最里(もり)と少女の木生(きお)が、とある場所で出会い、いくつかの夏を越えていく物語を風間俊介と松岡茉優が演じていく。 「最近会ってない人のことを理由もなく思い出して、今どうしてるのかと思うことがありますが、それで連絡してみるもよし、すぐにまた別の用事に取りかかって、思い出したことさえ忘れてしまうもよしで、どっちにしても大事にしたい瞬間です。そういうわけで、今回は久しぶりに会いましょうと連絡を取り合ってみました。モリくんとキオちゃんにまた会います。あの二人、今どうしてるんでしょうね。」 脚本家にとって、自分の作品に登場する人物は子どもとか親しい友人のようなものなのだろうか。坂元裕二にとって大事な舞台であることがコメントからも読み取れる。 出演者にも同じようにこの会を大切に思う気持ちがあるようだ。風間俊介と松岡茉優も以下のようなコメントを寄せている。 「坂元さんの本を手に取り、椅子に座り、物語に没入する。 最もシンプルな形で、坂元さんの物語を届ける朗読劇の読み手になれる事は、至上の悦びです。 大好きな物語は、綴る文字のフォントすら愛おしく思う時があります。坂元さんから頂く物語は、フォントも愛おしいです。大好きな坂元さんの本を、大好きな松岡茉優さんと、お届けできる。 聴きに来てくださる皆さんにとって、大好きな時間になりますように」(風間俊介) 「この度『坂元裕二朗読劇』に参加させていただくことになりました。私にとっては3回目の出会いです。 2021年、新しく生まれた『忘れえぬ 忘れえぬ』を演じさせていただいてから木生ちゃんと最里くんがずっと、私の中で生きています。 (坂元さんにいただいた役は正直、みんな生きてここにいるのだけれど) また会いたくて、また話したくて、それが叶うことが嬉しくてたまりません。 きっと、皆さんにとっての木生ちゃんと最里くんがいると思うのですが 私と風間さんの木生ちゃんと最里くんに、会いにきてくれたら嬉しいです。 坂元さん、よろしくお願いします」(松岡茉優) 演じるものを魅了する坂元作品の言葉。演劇は演出がシンプルであればあるほど、セリフの重みが増す。日常の中では、聞き逃してしまうような言葉の一つ一つを確かめながら味わってみたい。 Text:Reiko Nakamura