【2.5次元俳優・和田雅成さん】マインドを健やかに保つために普段から心がけていることは?
アニメやゲームを題材にしたステージで存在感を放っている2.5次元俳優たちの、輝くばかりの美の秘密を徹底解剖。今回は、舞台『刀剣乱舞』や『呪術廻戦』など数々の人気作に出演し、2.5次元界を牽引し続けている和田雅成さんにお話を伺いました。『ヴィンツェンツォ』などのミュージカルやドラマといった幅広いジャンルでも活躍している彼が語る、美容に対するこだわりや芝居にかける想いとは? 【写真】2.5次元俳優・和田雅成さん
ご出演いただいたのは……
●俳優 和田雅成 大阪府出身。主な出演作は、舞台『刀剣乱舞』、舞台『呪術廻戦』、舞台『おそ松さん on STAGE~SIX MEN'S SHOW TIME~』、ミュージカル『ヴィンチェンツォ』など。また、ドラマでは『テレビ演劇 サクセス荘』や『REAL⇔FAKE』シリーズ、『あいつが上手で下手が僕で』シリーズなどに出演。舞台『PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice 3』が3月15日(金)~24日(日)に東京・THEATER MILANO-Zaにて、3月28日(木)~31日(日)に大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演される。
「がっつり鍛えていた時の腹筋は、ぜひ『刀剣乱舞』のDVDでチェックを(笑)」
「美顔器も興味はあるんですが、結局一番大切なのは睡眠な気が。舞台のトレーナーさんからも『睡眠の質を変えた方がいい』と言われたので、枕やマットレスといったベッド周りは西川さんのオーダーメイドで揃えたんです。自分にぴったりなものに変えたら、やっぱり違いますね。使い始めた頃は、”えっ、たっぷり寝た感じがするけど、これしか時間が経ってないの!?”となりましたもん。今でこそ当たり前になっちゃっているけれど、オーダーしてよかった。さすがに地方公演の時に持って行ったりはしないですけどね(笑)。以前は持って行ったこともあるんですが、全部が全部持ち込めるわけではないので、最近はその土地でちゃんと眠れるようにしようと思っているんです。その代わり……というわけではないですが、シャンプー類は地方公演の時に普段使っているものを持っていきます。ホテルのアメニティのものって乾燥することがあるんですよ。なので、5~6年ほど愛用しているボタニストのちっちゃいやつを持参するようにしています。 そういえば、少し前からキックボクシングに通い始めたんですよ。最近は舞台の稽古があって行けていないのですが、時間があった時は週3くらいで通ってました。以前は筋トレも毎日40~45分ほどみっちりやっていたんですが、ガリガリにならなきゃいけない役が続いたのでセーブ中。今はインナーマッスルを鍛えることぐらいしかやっていないですね。ガッツリ鍛えていた頃の自慢のパーツは……腹筋かなあ。どんな状態だったかは、『刀剣乱舞』无伝 夕紅の士-大阪夏の陣-のDVDか、『おそ松さん on STAGE~SIX MEN'S SHOW TIME~』をチェックしてみてください(笑)」 昨年は4本の舞台のほか、ドラマや映画にも出演。多忙な日々が続く中、どうやって健やかなマインドを維持しているのか尋ねてみました。 「僕にとって最大のリラックスタイムは、家に帰って猫と過ごす時間。猫がグルグル喉を鳴らす音って、ヒーリング効果があることが科学的に証明されているらしいんですよ。本当かどうかはわからないけど、そう思うことが大事だなって(笑)。あとはやっぱり、トレーディングカード! 最近はちょっとバタバタしていてできていないんですが、役者仲間の間でワンピースカードがめっちゃ流行っているんです。荒牧慶彦っていう俳優がいるんですが、ドラマの撮影中に彼としょっちゅう対戦していました。 そして、僕自身がマインドを健やかに保つために普段から心がけているのが、全てを受け入れること。もちろん今だって引っかかったり腹が立ったりすることがないわけではないけれど、人それぞれに事情があるんだと思うことにしているんです。人の人生なんて、全部が全部はわからないじゃないですか。例えば、街を歩いていて誰かにぶつかられたとします。もしかしたらその人は、子供が産まれそうで急いで病院に向かっているのかもしれない。そう考えると、“じゃ、しょうがないか”って思えるんですよね。イラッとするよりも、その瞬間に別のマインドに置き換えた方が人生が豊かになる気がして。役者にとって、そうやって感情がフラットになることがいいことなのかどうかはわからないんですけどね。 そう考えるようになったのは、“2.5次元”と言われるものが注目され始めた時期にSNSで批判や誹謗中傷をバーッと浴びた経験が大きかったと思います。ちょうど、ネット上でそういったことを書き込む流れが生まれ始めた時期だったんですよ。舞台やキャラクターに対する愛ゆえだとは思うけれど、自分だけでなく家族のことまで言われるようになって……。家族が書き込みを目にしてしまうのが嫌で、一時期は役者を辞めようとしたことも。 そんな時に、漫画の『ONE PIECE』のルフィが言っていた『この海で一番自由な奴が海賊王だ』っていう言葉に出会って感銘を受けたんです。そこで気づかされたのが、自分はお客さまが求めることに応えようとしすぎていたということ。大切なことではあるけれど、そればかりを優先していると自分っていうものがわからなくなってしまう。ならば、もっと自由に、自分ファーストで生きてみよう。たとえ嫌われたとしても、自分が好きなことをやって真っ直ぐ生きていればブレないし、応援してくれる人も中にはいるんじゃないか……と思うように。同じ頃に演出家の宮本亜門さんとお仕事をご一緒する機会があり、亜門さんの考え方に触れることができたことも自分の中ですごく大きくて。その2つの出会いをきっかけに少しずつ考え方に余裕が生まれてきて、マインドもだいぶ安定した気がします。 きっとブレない芯をひとつ持つことで、他のことに対して柔軟でいられるんですよね。そのせいか、最近よく『丸くなったな』って言われます。昔は舞台の期間は誰ともご飯に行かないとか、お酒は飲まないっていう自分の中で決めたルールにガチガチに縛られていたんです。今は、“次の日のパフォーマンスに影響しない程度であればいい”と考え方をシフト。前の日にお酒を飲んだからって舞台に向き合う姿勢が変わるわけじゃないし、そこにかける思いは変わらないと100%断言できる。だったら、それでもいいじゃないかって。実は、とある方から『和田さんは真面目すぎるから、もっと気楽に考えていいんです。人生7割で生きてください』と言われたことがあるんです。僕はもともと神経質なところがあるので、その言葉もめっちゃ響きましたね」 撮影/神戸健太郎 ヘア&メイク/今津那保 スタイリスト/高山良昭 取材・文/真島絵麻里 企画・構成/有住美慧(MAQUIA)