【シンガポール富裕層がみる日本の将来】不動産投資で“資産10億円以上”50代女性「最近はニセコの不動産を調べているの」
オリエンタルラジオ・中田敦彦、伊東美咲ら著名人が続々と移住するなど、世界の富裕層が集まるシンガポール。そこに暮らす“ホンモノの大富豪”たちは、「落日の日本」の将来をどう見ているのか――。 【画像あり】シンガポールの社交クラブはデヴィ夫人のようなセレブがずらり ■推定資産約10億円以上/コリナ・チャンさん(50代) 音楽スクール経営者、ピアニスト。2005年、「Klassique.Musik」を創業。日本の才能教育法「スズキ・メソード」を取り入れたバイオリンやピアノのレッスンをおこなうほか、自身も各国大使館のイベントに演奏家として登壇している。 「私の人生はピアノに捧げたけど、富を得たのは音楽ではなく不動産よ。このセントレジスレジデンスは、2008年に買った時点で約5億6000万円したけど、いまではもっとするでしょう。ロバート・キヨサキ(著書『金持ち父さん 貧乏父さん』で知られる投資家)が、講演で『正しい不動産を買えば財をなせる』と言っていたわ。いまは不動産を5つ持っていて、貸しているの。私は20代のころから、不動産の広告を見るのが大好き。最近は、北海道のニセコの不動産も調べているわ」 コリナさんは2005年に音楽スクールを創業し、スズキ・メソードを取り入れて、多くの受賞歴のある生徒を輩出してきた。そんな彼女はロータリークラブのメンバーでもあり、シンガポールの社交の場にも頻繁に出没する。彼女が招いてくれた「シンガポール・フラワー・クラブ」は、デヴィ夫人のような外見のセレブたちが集い、そのオーラから超富裕層の集いだとひと目でわかった。 「シンガポールでは、企業の上級管理職の5人に1人は女性で、各国の大使も女性が多いでしょう。世界も、女性がリーダーになるほうがすべてにおいて透明性が出ると思うの。残念ながら、ハリス米大統領候補は経験不足なようだけど……。日本も首相を『イケメンで若い』とかで選ぶのではなく(笑)、女性の首相が生まれるのを見たいわ」 彼女が投資用として保有するセントレジスホテルのレジデンスは、日本人の超富裕層も数多く住んでいる。トランプ前米大統領との会談に訪れた北朝鮮の金正恩総書記が宿泊したのも、このホテルだ。 「週1回はホテルのラウンジで、1カ月の予定を立てたりして過ごすの。とにかく多くの人と出会うことが大切よ。1日に10人の新しい人と会ったら、もっと有名になれるし、ギャラもずっと上がるでしょう。私はシンガポールの首相の前で演奏をしたいと思っているの」 コリナさんに会うのはコロナ禍以降、初めて。彼女のパワフルさにあらためて圧倒される思いだった。 取材/文/写真・花輪陽子(シンガポール在住ファイナンシャル・プランナー) 外資系投資銀行を経てFPとして独立。2015年から生活の拠点をシンガポールに移し、ファミリーオフィス(富裕層一族の資産管理会社)などでウェルスマネジメントに従事。近著は、ファンドマネ―ジャーの河北博光氏著『世界標準の資産の増やし方 豊かに生きるための投資の大原則』(東洋経済新報社、執筆協力)
週刊FLASH 2024年9月24日・10月1日合併号