チャンスはボレロに乗せて 龍谷大平安、集中打で逆転 センバツ
◇センバツ第4日(21日)2回戦 ○龍谷大平安(京都)4―3長崎日大● 球場を包み込む重低音のチャンステーマ曲「あやしい曲」に乗り、龍谷大平安は一気の集中打で勝利をもぎ取った。 【一気の逆転劇…龍谷大平安vs長崎日大を写真で】 身上の粘りの野球を、2点を追う七回2死走者なしから体現した。松浦玄士、代打・石丸晟智の連続安打に暴投が絡み、1点を奪った。さらに、代打・松井駿汰が左翼線へ同点二塁打を放ち、白石力翔の右前打で勝ち越しに成功した。 松井は「積み上げてきた粘りの打撃が(逆転劇に)つながった」と顔をくしゃくしゃにして笑った。自身は身長164センチ、体重60キロと小柄だが、全体練習後の個人練習で2時間以上続けることもあるという素振りで鍛えてきた。「どんな場面でもしっかりはじき返して、次につなぐ練習を続けてきた。2死でも諦めずに自分のやれることをやろうと思いました」と満足顔だ。 その思いは勝ち越し打の白石も同じだった。「好機を生かそうと食らいついた。つなぐ意識が流れを作ったと思う。あのボレロ(あやしい曲)が流れてくると、俺もやってやろうという気持ちになる」とうなずいた。 原田英彦監督は「流れを変えないとアカンところで、ポテンヒットあり快打ありと、代打陣がよく打ってくれた」とたたえた。単独5位のセンバツ勝利数は43に伸びた。 9年ぶり2回目の優勝に向けて、松井は「やることは変わらない。次も粘って粘って勝利を目指します」と力を込めた。【木村敦彦】