うるま市の平敷屋エイサー、伝統の西の型を青年会OBら演舞 同級生の息子の披露宴で
古くからの型を守り、エイサーの原型とも言われるうるま市の平敷屋エイサー。四半世紀前に平敷屋青年会(西)を卒業した徳村清孝さん(49)らがこのほど再結集し、一糸乱れぬ伝統の演舞を披露した。舞台は同級生の息子の結婚披露宴。「仲間と踊れて最高だ」。若者の門出を祝う会場に熟練の指笛とパーランクーが響いた。(社会部・吉田光) 【写真】新郎新婦を囲み写真撮影をする平敷屋青年会(西)のOB・OGら 披露宴を挙げたのは、金城帆高さん(25)とさくらさん(26)。 帆高さんは毎年の旧盆、母の弥生さん(48)の実家で平敷屋(西)のエイサーを見て育った。「自分の披露宴では必ずエイサーを見たい」と、平敷屋の同級生への依頼も考えたが、エイサーをしている人はごくわずかだった。 見かねた母の弥生さんが、同級生の徳村さんに出演を依頼すると「同級生の子どもの結婚式なら」と二つ返事で承諾してくれた。16人が集まり、昨年11月に開かれた披露宴まで2カ月間、仕事の合間を縫って練習を重ねてくれたという。 25歳での卒業が決められている平敷屋青年会。伝統的に東・西に分かれていたが、2022年から青年会加入者の減少で東西合併が決定。普段の演舞では力強さが特徴の東の型が中心で、足の運びがしなやかな西の型が披露される回数は少なくなっている。 徳村さんは現役時代、道化役の「ナカワチ」を担当していたが、披露宴では初めて花形のパーランクーを持った。「演舞される回数が少なくなった西の型をたくさんの人に見てもらえて満足だ」と、型の継承で一役を担えたことへの喜びを笑顔で語った。 帆高さんの父の光和さん(58)は「息子の晴れ舞台で、大好きな西の踊りを見られて感無量だ」と興奮した様子で話した。4年前に那覇市から糸満市に引っ越した際は、平敷屋青年会(西)に依頼し、祝いの演舞をしてもらったほどエイサーには愛着が強い。 帆高さんは「妻と一緒に自分たちが好きなエイサーを見られてうれしい。これからも西の型が継承されていくことを願っている」と伝統に対する熱い気持ちを語った。