【高校ラグビー】大阪桐蔭と桐蔭学園がプール戦を1位突破!日本チーム初のタイトル獲得に向けて躍進の両校 5月5日に決勝戦『ワールドラグビーユース交流大会』
桐蔭学園・申驥世キャプテン「全員で考えて、一体となったラグビーができた」
続いて登場した桐蔭学園(神奈川)は、御所実(奈良)と対戦。こちらも外国勢に連勝したチーム同士が激突しました。大型FWを擁して、接点での圧力と鍛え上げてきた伝統のモール攻撃が武器の御所実が、前年度の全国高校ラグビー大会王者を相手に先にペースをつかみます。前半8分、得意のモールを押し込んで桐蔭学園のゴールラインに迫ると、密集サイドをついてFL佐藤淳平選手がトライ。ゴールも決めて7点をリードします。 一方、一人一人のラグビーへの理解力とスキルレベルの高さが持ち味の桐蔭学園が、すぐさま反撃します。12分、御所実の反則で相手陣内に攻め込むと、ラインアウトから素早くボールを動かし、最後はWTB石崎悠生選手が左隅にトライ。難しい角度のゴールをSH後藤快斗選手が決めて、7対7の同点に追いつきます。 その後は一進一退、両者譲らない展開の中から、スコアしたのは桐蔭学園でした。19分、今度は、御所実のパスの乱れをつくと、ターンオーバーからの一気の仕掛けでWTB草薙拓海選手がトライ。チームとしてボールを奪った後、常に早く仕掛ける意識が徹底している桐蔭学園は、狙いどおりのトライで12対7と逆転して、前半を終了します。
リードして勢いの出てきた桐蔭学園は、後半に入るとさらに試合巧者ぶりを発揮します。後半4分、攻め込んでいた御所実のペナルティーで再び御所実陣内に入り込むと、またしてもラインアウトからボールを素早く展開して、御所実自慢のFW陣から離れた位置での勝負に持ち込みます。ここから一人一人の選手がハンドリングスキルの高さを発揮して、最後はCTB徳山凌聖選手がトライ。ゴールも決めて19対7とすると、さらに9分、今度はFW陣が奮起します。反撃を試みる御所実の攻撃に対して、FB古賀龍人選手が落ち着いた対応で敵陣に入り込むと、ここぞとばかりFW陣が集中。素早い集散で御所実の反則を誘って、絶好の位置でペナルティーを獲得します。このチャンスに後藤選手がPGに成功。22対7、逆転には3チャンス以上必要な差をつけて、勝負の流れを決定づけました。 「このチームは、個の力が去年のチームほどない分、一人一人が主体的に、試合中であっても考えながらプレーしようと意識している。きょうは途中から出るメンバーも含めて全員で考えて、一体となったラグビーができた」と申驥世主将が語った桐蔭学園。この後も、確実にリードを保って30対14。こちらも3戦全勝でグループリーグを1位で突破し、1位から4位を決める決勝トーナメントに駒を進めました。
なお、準決勝で大阪桐蔭はサウスランドボーイズハイスクール(ニュージーランド)に24対17で勝利、桐蔭学園はセントオーガスティンズカレッジ(オーストラリア)に29対22で勝利しています。 大阪桐蔭対桐蔭学園の決勝戦は5月5日に行われます。 (MBSスポーツ解説委員 宮前 徳弘)