石川遼、最終ホールに広がった“フィーバー”頃と似た光景 日本開催の感謝を込め狙う2年連続トップ10入り
ZOZOチャンピオンシップ第3日
日本開催の米男子ゴルフツアー・ZOZOチャンピオンシップ第3日が26日、千葉・アコーディアG習志野CC(7079ヤード、パー70)で開催された。22位から出た石川遼(CASIO)は、5バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの69で回って通算5アンダーとし、29位に後退した。ショットの不振に苦しみ、11番パー4では第1打をロストボール。このホールで2つスコアを落としたが、残り7ホールで4バーディーを奪う粘り強さを見せた。かつて米ツアーでプレーした33歳は、今年で終了する今大会への感謝を込めて最終日にトップ10入りを目指す。 【画像】石川遼のショットを大勢のギャラリーが見守る実際の様子 最終18番パー4。石川はグリーン手前30ヤードからの第3打をランニングアプローチで、ピン左80センチに寄せた。 「ピッチングウェッジでした。迷いはありませんでした」 グリーン周りには大勢のギャラリーがいた。15歳で国内ツアー初優勝を飾った後、しばらく続いた「遼くんフィーバー」の頃に似た光景だった。世界最高峰・米ツアー(PGAツアー)の日本開催大会。この日の最終打となったバーディーパットを沈めると、石川は嬉しそうに微笑んだ。 見事なカムバックだった。前半で1つスコアを落とし、後半2ホール目の11番パー4で放った第1打は左の林方向へ逸れた。だが、ボールは見つからずじまいでロストボール。石川は「木の上に乗っちゃったんだ。木の音は聞こえたし、ラフもそんなに深いところじゃなかったから」と解釈し、プレーを続けた。 結局、このホールはダブルボギー。だが、目先のスコアよりも「自分の納得できるショットを打ちたい」と思っていた石川は、13番パー3、14番パー5でショット、パットをかみ合わせて連続バーディー。16番パー3でもスコアを伸ばし、最終18番パー5につなげた。 終わってみると、3日連続のアンダーパー。順位は落としたが、トップ10圏内とは4打差にいる。残り18ホール。石川は2019年から続いた今大会が、6年契約の最終年となることを踏まえて言った。 「日本でのPGAツアー開催を実現してくれたことに感謝しています。選手だけでなく、ファンの皆さんや日本のゴルフ界にも影響を与えてくれる1週間だと思うので」 そして、自分に言い聞かせるように「残り1日となりましたが、何か得るものがある日にしたいです」と言葉をかみしめた。狙うは昨年大会4位に続くトップ10入り。かつて米ツアーを主戦場とした選手として、現在のPGA選手にも存在感を示すつもりだ。
THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida