標茶町の「釧路湿原かや沼観光宿泊施設」愛称とロゴ公開
北海道標茶町は22日、コッタロ原野に9月ごろオープンする予定の「釧路湿原かや沼観光宿泊施設」(旧くしろ湿原パーク憩の家かや沼)の愛称を「ぽん・ぽんゆ」に決定したと発表し、看板などに使うロゴも公開した。愛称の由来はアイヌ語で「小さい」を表す「ポン」で、覚えやすい名称を意識。釧路湿原国立公園内唯一の温泉宿として、新たな名前でブランディングを図る。 2019年から休業中の旧施設を大規模改修し、温泉付きの客室やサウナ、露天風呂、レストランなどを備えた最新施設に生まれ変わった。東京五輪会場の国立競技場を設計した建築家の隈研吾さんが基本設計、グラフィックデザイナーの原研哉さんが内装のデザインをそれぞれ手掛けた。 愛称の原案は21年に出来上がっていた。原さんが社長を務める日本デザインセンター(東京都)が、同年10月に「ぽんこたん」「ぽんぽんゆ」「ぽんぬぷり」の3候補から町内の小中高校生にアンケートを取り、684人の回答で最多の327票だった「ぽんぽんゆ」を選んだ。 今年3月、指定管理者が共立ソリューションズ(東京都、小山哲郎代表取締役)に決定し、町が同社に「ぽん・ぽんゆ」の愛称を提案したところ、強い支持を得て正式に決まった。ロゴのデザインは日本デザインセンターが担当し、湿原の森と一体化したような建物の外観に合い、ウェブでの宣伝でも視覚に訴える見た目をコンセプトにした。 前身の「憩の家」は、赤字が4年近く続いて資金不足を解消できず、指定管理者の町観光開発公社が19年に破産したという経緯がある。施設の再生に汗を流した佐藤吉彦町長は「町民の中には『憩の家』の名を残してほしいという声もあるが、湿原の魅力を発信する施設として、指定管理を民間に委ねて再出発するに当たっては、インパクトのある名称が必要だ」と思いを語った。
釧路新聞