遺骨、次女に引き渡し命令 オウム松本元死刑囚巡り
2018年に死刑が執行されたオウム真理教松本智津夫元死刑囚=執行時(63)、教祖名麻原彰晃=の次女が国に遺骨や遺髪の引き渡しを求めた訴訟の判決で東京地裁は13日、請求を認めて引き渡しを命じた。小池あゆみ裁判長は「父を悼む目的」と認められ、次女の権利乱用ではないと判断。国側は遺骨が後継団体に利用されれば犯罪の危険性が高まると主張したが、次女が遺骨を悪用する意図があると立証されていないと退けた。 元死刑囚の遺骨などは帰属先が遺族間で争われた別訴訟の結果、21年7月に最高裁で次女と確定。だが遺骨などを保管する国側との引き渡しに向けた交渉が進まず、次女が22年10月、今回の訴訟を起こした。 関係者によると、国側は控訴する方向で検討している。 小池裁判長は、公共の安全や社会秩序の維持といった公益的理由から返還を拒めるとの関係法令はないと指摘。遺骨が後継団体や信者に渡る可能性があるとの国側の主張に裏付けはなく、抽象的な可能性の域を出ないとした。