まるで海の中 美術展「カツオノシバキ」 遊び心あふれる作品ずらり/岡山・勝央町
勝央町の名前を「かつお」と読み間違えたことを発端にした住民参加型のユニークな美術展「カツオノシバキ」が、勝央町勝間田の勝央美術文学館で始まった。海の生き物をモデルに3歳から103歳まで総勢約400人が手がけた個性豊かなアートが来場者たちを楽しませている。24日まで。 【写真】3~103歳約400人の力作が集う会場
板画家・棟方志功(1903~75年)の影響を受け、子どもたちの芸術教育振興につなげようと過去に活動していた「美育振興会」に感銘を受けた県北の映像作家、音楽家、美術家らが「シン・美育振興会♪仮)」を立ち上げて主催。森の芸術祭に合わせて誰もが芸術に親しめるようにと同展を企画し、今年7~11月に美作地域の小中学校や児童クラブ、福祉施設、同館などで開催したワークショップで参加者たちが制作した約400点を集めて展示している。
段ボールや色紙、セロハン、絵の具、廃材といった身近にある素材で仕上げたカツオやマンボウ、ジンベイザメ、カニなどの飾りがずらりと並び、会場はあたかもにぎやかな海の中のよう。そばには「魚を狙うネコ」をイメージした遊び心のある作品も。置いているビニール製の大きなボールは触れることもでき、視覚以外でも楽しめる。
17、23日午後11時から正午まで、よりおもしろく作品にアプローチできるイベント「みんなで作品かんしょう会」が開かれる。
同会メンバーで版画家の河内大樹さん(33)=東一宮=は「幼い子どもからお年寄りまで 誰もが気軽に親しめる展示会となっている。美術は高尚で敷居が高くて謙遜している人もぜひ、力をぬいてみなさんの作品を楽しんでほしい」と話している。
津山朝日新聞社