宿題は「必要」が8割超… でも、効果は?専門家が語る「本当に意味のある宿題」とは
── 上手な振り返りができるようにするには、どうしたらいいのでしょうか? 子どもの取り組み方に対して、フィードバックをしてあげることです。 注意したいのは、よい取り組みとは、ぱっと見のノートのきれいさや、取り組んだ量の多さそのものではないということです。 たとえば算数なら、間違えた問題の途中式に「ここで間違えた」とマークが入っていれば、自分なりの分析ができているということです。ぜひ「いい工夫だね」と伝えて、「これはいい取り組みなんだ」ということを認識できるようにしましょう。 ── 教師や保護者の負担が増えないか心配です。 教師が、児童生徒一人ひとりに丁寧なコメントを返すことが正解とは限りません。よい工夫をピックアップして、クラス全体に紹介するといった、より負担の少ないフィードバックも有効です。他の児童生徒の実例から、よい取り組みとは何かを学ぶことができます。 くり返しになりますが、宿題で大事なのは「量」よりも「取り組み方」です。適切な量や内容も、子どもによって異なるはずです。まずは、教師も保護者も、量をこなすことだけを求めないことが第一歩だと思います。 国の教育方針や入試方法も、かつての「暗記重視」「詰め込み型」から変わってきています。深く学んでいくことが大切ですが、それには大がかりな仕掛けが必要なわけではありません。ご紹介したような、ちょっとした意識や工夫をくり返すことで、深い学びにつながっていきます。 (※)集計期間:2024/6/18~23 小・中・高校生の保護者のかた1,687名へのWebアンケート