野村證券すら2000億円スッた「レバレッジ取引」を、自動的に組み込んだ金融商品が出回っている
住宅ローンも「レバレッジ約5倍」の金融商品だが…
幻冬舎ゴールドオンライン
「レバレッジ」とは、金融の世界において「借金をして投資する」という意味です。語源は英語で梃子(てこ)の意味を持つlever(レバー)で、小さな力を大きな力に変えることから転じ、自己資金の何倍もの借金をして、その資金で運用することを指します。株式投資でいえば、お金を借りて売買する信用取引、FX(外国為替証拠金取引)や先物取引もレバレッジを使った金融取引です。 たとえば信用取引の場合、当たれば大きく稼げる一方、外せば追加の担保(追証=おいしょう)を差し入れなければなりません。 実はプロの世界でも、レバレッジを効かせて大損をこいてしまう例は枚挙にいとまがありません。最近では、米国のファミリーオフィス(個人資産管理会社)を相手に信用取引を行わせ、約2200億円の追証を取り損なった野村證券、同じく約5200億円を取り損なったスイスのクレディ・スイス(ちなみに銀行です)の事例が世間の耳目を集めました。 両社とも自らが証券取引の主体ではなく、その資産管理会社に取引資金を貸していて、回収し損なったという「大チョンボ」。当たれば大儲け、外れれば全損という、まるでカジノのような取引でした。幸いにも、グローバル金融市場では、この事故は見事に消化されて事なきを得ましたが、かかわった証券会社のリスク管理の甘さが裏目に出た事案です。 じつは金融資産のなかに、そんなレバレッジが自動的に組み込まれているものがあるということをご存じでしょうか。一般社団法人日本つみたて投資協会代表理事の太田創氏が解説します。
本文:2,348文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。
太田 創