ドジャース・大谷翔平

【ニューヨーク16日（日本時間17日）】米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手（30）がメッツとのナ・リーグ優勝決定シリーズ（7回戦制）の第3戦に「1番・DH」で出場し、八回に7試合ぶりの本塁打となる3ランを放った。試合は8―0で快勝し、2勝1敗とした。最高到達点137フィート（約42メートル）のムーンショット。ポストシーズンの得点圏は6打数5安打（打率・833）、レギュラーシーズンを含めた直近の得点圏はメジャー史上初の20打数17安打（・850）とし、大ブーイングを浴びせたニューヨーカーを沈黙させた。 自由の女神を越えるムーンショットをニューヨークの夜空に放った。4―0の八回1死一、二塁。大谷が右翼ポール際の2階席中段へ、地区シリーズ第1戦以来となる本塁打。着弾を確信すると、三塁ベンチに人さし指を立てて走り出した。 「走者がたまっていい流れがある中、連戦の初戦なので何点取ってもいい。そういう意味でいい本塁打になった。（ビデオ判定になったが）通過時点は内側だったので本塁打だと思っていた」 打球速度115・9マイル（約187キロ）、角度37度で高々と舞い上がった打球は飛距離410フィート（約125メートル）。最高到達点は137フィート（約42メートル）でニューヨークの象徴、自由の女神像の足元から頭までの高さ約34メートルを越える放物線を描いた。 1勝1敗で敵地に乗り込んだ一戦。前日の会見では低調な打撃を米メディアに追及され、試合前セレモニーではこの日一番のブーイングを浴びた。だが、大谷は雰囲気を楽しむように笑顔でナインとグータッチ。とどめの一発にニューヨーカーは意気消沈し、試合終了を待たずに席を立つ姿が目立った。 勝負強さが際立つ。ポストシーズンでの無走者時は22打数無安打となったが、得点圏打率は・833（6打数5安打）。レギュラーシーズンを含め、9月19日のマーリンズ戦から得点圏打率は・850（20打数17安打）となり、MLB公式サイトによるとメジャー史上初となった。 それでも、本人は直前までの4打席を振り返り「四球は1個取ったが、それ以外の打席はもうちょっと出塁して後ろにいい形でつなげれば、チャンスをつくれた」と満足はしていない。

2勝1敗とし、ワールドシリーズ進出まで2勝とした。17日（日本時間18日午前9時8分開始）の第4戦は山本が先発する。「敵地だけどしっかり自分たちの野球をできれば十分勝利できる」と大谷。ニューヨークでも主役の座を譲るつもりはない。（横山尚杜）