大阪・箕面「もみじの天ぷら」ってどうやって作ってるの?
手間がかかっている製造工程
製造工程を簡単に紹介すると、毎年秋の紅葉時期に黄色く色づいた綺麗な葉を収穫する。収穫後、その日のうちに水洗い。それから湿度と温度を一定に保ち、1年以上塩漬けに。そのあと流水で24時間以上かけて塩抜き。葉の軸を切り落とし、衣で揚げ、一昼夜をかけて油切りをして出来上がりだ。商品になるまでこれだけの手間がかかっている。 「 塩漬けは昔からです。もみじはアクが強いので、熟成させるんです。揚げるのも一見簡単そうに見えますが、7枚の葉そのものの形に揚げるためには技術が必要なんです。この色に揚げるのに20分ほどかかりますしね」(節子さん)という。 かつて界隈には40数軒の製造・販売店があったが、今は20軒ほど。秋だけの販売店もあるというが、同店は1年中扱っている。最近は外国人の観光客も多く、英語や中国語などの説明書きを独自で用意して対応しており、「外国の方は、日本人は“落ち葉”を食べてるって思ってるみたいです」と笑う。値段は袋入りで320円から。箱入りもある。 手間ひまかけた製造工程の苦労を知れば、また食べたくなってくるのではないだろうか? (文責/フリーライター・北代靖典)