92歳で亡くなった「魂のピアニスト」フジコ・ヘミングさん、公式WEBで明かされた闘病生活「病室や病院内でピアノを弾いたこともありました」
「魂のピアニスト」と呼ばれ、心を揺さぶる演奏で人気を集めたピアニストのフジコ・ヘミング(本名=ゲオルギー・ヘミング・イングリット・フジコ)さんが4月21日死去したことが2日、分かった。 92歳。ベルリン生まれ。葬儀は近親者で行った。関係者がお別れの会を検討している。 若き日に風邪が原因で一時聴力を失うなど苦難を経験した。1999年、NHKのドキュメンタリー番組で半生を取り上げられ、60代後半から人気ピアニストとして活躍するようになった。 アルバム「奇蹟のカンパネラ」が大ヒット。リストやショパンの曲を愛し、国内外で精力的に演奏活動を重ねた。 フジコ・ヘミングさんの訃報は「一般財団法人フジコ・ヘミング財団」が2日に「フジコ・ヘミング オフィシャルサイト」で公表した。 【ファンの皆様ならびに関係者の皆様へのご報告】と題した全文は以下の通り。 「フジコ・ヘミング(本名:ゲオルギー・ヘミング・イングリッド・フジコ)は2024年4月21日未明、92年の生涯を終え、永眠いたしましたことを謹んでご報告申し上げます。 2023年11月に自宅で転倒した後、一日も早い復帰を目指し治療とリハビリに励み順調な経過をたどっていたところ2024年3月におこなった検査の結果すい臓がんと確定診断され療養を続けておりましたが、4月21日に容態が急変し、神の御許に旅立たれました。 葬儀はフジコ・ヘミング本人及び親族の遺志により、近親者のみですでに執り行い、とても美しく穏やかな表情での旅立ちでした 診断後は、皆様に心配をかけたくないという本人の希望により公表は差し控えさせて頂いておりました。公演を楽しみにして頂いたファンの皆様、主催者様等には、多大なるご迷惑ご心配をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。 フジコ・ヘミングは、昨年も精力的な演奏活動を続けていたところでした。怪我(けが)をしてからは、思い通りにならない身体にもどかしい思いを抱えながらも、直前まで、復帰してピアノを弾きたいという強い意思をもって治療とリハビリに励み、病室や病院内でピアノを弾いたこともありました。3月に予定していたニューヨークのカーネギーホールでの公演や日本での公演を楽しみにしておりました。 皆様へこのようなご報告をしなければならなくなったことは、誰よりもフジコ・ヘミング本人にとって本当に残念であったと思います。 フジコ・ヘミングは聴力を失っても魂でピアノを弾き続ける強さを持ちつつも、動物愛護を実践して保護猫を多数引き取り、また被災者や大変な思いをしている人達へのチャリティコンサートを積極的に行うなど、慈愛の心に満ちあふれた人でした。 奇跡の「カンパネラ」を再び弾ける日が来ることをフジコ・ヘミング本人ともども切に祈っておりましたが、もう叶えることはできません。しかし、これから先も、フジコ・ヘミングの魂の演奏の思い出が皆さまの心の中で奏で続けられることを願っております。 尚、献花、ご芳志等はご遠慮いただいておりますので、なにとぞご理解の程お願い申し上げます。 「フジコ・ヘミングお別れの会」につきましては、現在、検討中となっております。詳細については改めてご案内申し上げます。 今まで応援してくださったファンの皆様、共演者・主催者・メディア関係・懸命に尽くして頂いた医療従事者の方々・その他関係者の皆様には、心より深く感謝し御礼申し上げます。本当にありがとうございました。 2024年5月2日 一般財団法人フジコ・ヘミング財団」
報知新聞社