最近の全自動式コーヒーマシンはかなり良い感じ。試して分かった「使い勝手と魅力」
リアルサウンドテック編集部による連載「エンタメとテクノロジーの隙間から」。ガジェットやテクノロジー、ゲームにYouTubeやTikTokまで、ありとあらゆる「エンタメ×テクノロジー」に囲まれて過ごす編集部のスタッフが、リレー形式で毎週その身に起こったことや最近見て・試してよかったモノ・コトについて気軽に記していく。 【写真】美味しいコーヒーが手軽に 第45回は久しぶりに自転車を買い替えるため、時間が空いたら近所のサイクリングショップを彷徨うのが休日のルーチンワークと化してきた中年編集・小川がお届け。 1日、最低4~5杯はコーヒーを嗜む自他ともに認めるコーヒー好きの筆者。コーヒー関連のガジェットに触れる度に心踊るが、その時々により方向性が異なる。ハンドドリップに夢中になっていた時はドリッパーやフィルターにこだわり、サイフォンが実験みたいで面白い! と傾倒したらミニサイフォンまで買ってしまったりとムーブメントの波がある。そんな自分がこれは良い!と最近お気に入りのコーヒーガジェットが“コーヒーマシン”だ。 昔は正直、コーヒーマシンはボタンを押すだけで心が躍らない……と思っていたが、最新のコーヒーマシンは最高! と心変わりしている。我ながら節操がないなと思うのだが、そう翻意させてくれたマシンのひとつが、2024年9月に発売されたデロンギ 『エレッタ エクスプロア Wi-Fiモデル 全自動コーヒーマシン(エレッタ エクスプロア Wi-Fiモデル)』だ。 改めて説明するのも著名すぎるメーカーだが、デロンギは元イタリア北部の街トレヴィーゾでクラフトマンワークショップとしてスタートしたイタリアの家電ブランド。1974年にオイルヒーターを製造、1990年代には暖房器具の製造で使われる技術を用いて、コーヒーマシンの開発・製造に乗り出している。今では暖房器具からコーヒーマシン、オーブンなど調理器具も手掛けている。コーヒーマシンは業務用のエスプレッソマシンが知られているが、個人用も勿論、手掛けており最近では「全自動」コーヒーマシンに力を入れている印象。 ひとくちにコーヒーマシンと言っても細かくあり、独自カプセルをセットするだけのものから、粉を挽く~コーヒーを淹れるまでフルオート、粉を挽くのと淹れるのが分かれているセミオート式までと様々。この『エレッタ エクスプロア Wi-Fiモデル』は全自動式マシンとなる。 まず、コーヒーは基本的に“(豆の)挽きたて・(コーヒーの)淹れたて”が美味しいという大前提があるが、豆から挽いて、間髪いれずに淹れてくれる全自動式はそのスピード感、つまりコーヒーの鮮度が段違いに良い。芳ばしい香りと程よい苦み、酸味、甘みがしっかりと出ている。また、こちらのマシンは洗浄も全自動で電源オン/オフ時など各所で内部自動洗浄までしてくれるのが良い。 かつて個人的にコーヒーマシンを使っていた際、バラしての洗浄が面倒だと感じていた。かといって洗浄を怠ると変な苦みが発生し、それならばアナログで良いやとなったことがあるが、最近の全自動はここまで楽チンなんだと改めて感心した次第。 使い方は簡単で豆(または粉)を上部にセット、後はメニューから選んでセレクトするだけだ。グラインダーもデロンギ独自らしく低速回転でアロマを逃さず、挽いた後の粉(カス)は受け皿から捨てるだけ。 この手のガジェットは機能などを語り出すとキリがないほど多彩だが、他にもミルクの甘みを引き出すデロンギ独自の「ラテクレマTM」や、豆の特性(種類・焙煎度・粒度)によって抽出を調整する「ビーン アダプト テクノロジー」、メニューもホットからアイス、ミルクメニュー、お茶のメニューまで用意されている。 それと特筆すべきは、同ブランド初となるコールドブリュー(水出し)コーヒー機能。本来なら12時間程かかる水出し抽出が5分程度で完了するのは、冬でもアイスコーヒー派の筆者には嬉しい所だ。 今回、レビューを兼ねて長期視点で借りているが「あれ、(全自動)コーヒーマシンってこんなに魅力的だったんだ」と気付かされることが多かった次第。昔は正直、毎回の分解洗浄が大変だから結局はアナログ式で良いやとか、ボタンを押すだけだと味気ない、などと思っていたが、このデロンギの全自動式だと豆を投入したら挽きたて・淹れたて、洗浄も楽、カスの処分も楽々。これは体験するとクセになるなと......と思った次第だ。 ちなみに全自動式にすると、準備や片付け、洗浄などで拘束される時間から解放されるので、その分の時間を好みの豆探しに使ったり、あるいは生豆から選んで焙煎にチャレンジする、などというのもありだ。商品名の「エクスプロア」という名にある通り、省いた時間をコーヒー探求に充てることができるなんて、コーヒー好きにはロマンがあるガジェットだ。
小川太市