『天穂のサクナヒメ』が発売された日。ゲーム史上類を見ない深さで米作りを体験。農林水産省も動いた世界累計150万本以上出荷の稲作アクションRPG【今日は何の日?】
※本記事は、2023年11月12日にアップした記事を再編集したものです。 リアルな米作りに魅了される人が続出! 【記事の画像(8枚)を見る】 いまから4年前の2020年(令和2年)11月12日は、Nintendo Switch、プレイステーション4(PS4)用『天穂のサクナヒメ』が発売された日。 『天穂(てんすい)のサクナヒメ』は、同人ゲームサークルのえーでるわいすが開発を手掛け、マーベラスから発売されたアクションRPG。日本伝統の米作りの工程をここまでやるかというレベルの緻密さでゲーム内に落とし込み、ゲームファンたちを大いに驚かしてくれた作品だ。 プレイステーション5と同日発売でありながら大きな話題となったほどなのだから、ゲームファンたちが受けた衝撃の度合も想像がつくだろう。後に、農林水産省が開発メンバーにインタビューして再び話題となるという珍しいエピソードもあったので、それを覚えている人も多いんじゃないかな。 本作の主人公は武神と豊穣神を両親に持つサクナ(サクナヒメ)。ひょんなことから鬼が支配するヒノエ島での調査を命じられ、そこで人々の悩みを解決してあげながら稲作に励んでいくことになる。ゲームは農具や羽衣を駆使して鬼と戦う横スクロールアクションのパートと稲作のパートに分かれていて、アクションパートを攻略しながら合間に稲作をしていくといった流れになっている。 ユニークなのはサクナの成長方法。“米は力だ”という本作のキャッチコピーそのままに、よい米を作るほどにサクナのステータスが上昇して強くなっていく。要するに米作りがレベル上げ的な意味合いを持っており、稲作をすればするほどサクナが成長していくのだからおもしろい。実際にプレイした際に筆者は「まさしく米は力だな」とそのアイデアに感心してしまったほどだった。 前述の通り米作りの工程は事細かで独創的。稲作をするゲームはいくつもあるが、ここまで米のみに特化したものは見たことがない。単に田植えをするだけでも石を取り除いて田んぼを耕す“田起こし”、低品質な種籾を取り除く“種籾選別”、選別した種籾を苗に育てる“育苗”といった工程を経てからようやく育った苗を田んぼに植える“田植え”に入るといった具合。初めて体験した際には誰もがその徹底ぶりに感嘆したのではなかろうか。 この後にも育成期、収穫期にそれぞれやることが盛りだくさん。ネット上で誰かが言っていた「農林水産省の公式ホームページが攻略サイトになる」という話も頷けるというもの。ここまで手をかけているとお米が愛おしく感じてきて、現実世界で見かける田んぼを見る目が変わったなんて人もいたんじゃないかな。筆者などはままさにそんな感じで「あれは“稲架掛け(はさがけ)”していたんだな」みたいに得意げになっていたのを覚えている。 もちろん、作ったお米や取ってきた食材で食事をすることだって可能。食事をするとアクションパートでステータスアップなどの恩恵が受けられるのもうれしいポイント。夕餉のシーンはちょっとした見どころになっていて、ワイワイと食事を楽しむ姿は見ていてほっこりしてしまう。 2021年12月9日には、お買い得価格になったパッケージ版が発売予定。もし本作の稲作を未体験であれば、この機会に体験しておくのもいいだろう。 今年(2024年)にはアニメが放送。ゲームとは違った魅力の世界観にワクワクした人も多いのでは? 現在も各動画配信サイトで視聴できるので、ぜひチェックを。