ドラマ「沈黙の艦隊」を手掛けた映像プロデューサー・早川敬之 日本のコンテンツ産業に希望の光「今、エンタメ立国に向かっていく最初のフェーズにいる」
テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」レギュラーコメンテーターの玉川徹とフリーアナウンサーの原千晶がパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「ラジオのタマカワ」。「テレビではまだ出せていない玉川徹の新たな一面を発信!!」をコンセプトに、ビジネス、キャリア、マネー、カルチャー、エンタメ、音楽など、さまざまなジャンルをテレビとは違った角度から玉川が深掘りしていきます。 12月5日(木)の放送では、映像ディレクター・プロデューサーの早川敬之(はやかわ・たかゆき)さんがゲストに登場。これからの日本のコンテンツ産業について語ってくれました。
◆日本のコンテンツ産業はさらに成長する
玉川:お話しできるんだったらしていただきたいんですけど、日本のドラマに比べて何倍ぐらいの予算がかかっているんですか? 早川:お話しできません(笑)。 原:即答でしたね(笑)。 玉川:え~! でも文藝春秋に早川さん書いてるじゃん! 早川:「過去最大級の予算を投じた」というのは間違いございません。 玉川:それはAmazonプライムの日本で作ったなかではということ? 早川:そうですね。 玉川:やっぱりすごいのよ。文藝春秋の記事を僕も拝読したんですけど、最後のほうは「日本のコンテンツ産業はダメだよ」って話になるのかなって思ったら、正反対の結論だったんですよね。日本のコンテンツ産業はこれからだよねってことが書かれていましたけども、どういうことですか? 早川:日本は今、エンタメ立国に向かっていく最初のフェーズにいると思っています。と言いますのも、本屋に行きますと漫画ですとか小説が壁一面にありますよね。これがいわゆる“IP(知的財産)”と言われているもので、まだ実写やアニメになっていないものが山ほどあるわけです。これはやっぱり我が国の宝です。 玉川:なるほど。 早川:幸いなことに、それを見たいと言ってくれている方が、国内だけでなく海外にも広がっているんですよね。私たちの世代が子ども世代に残してどんどん稼げる、そんな時代がやってきたと思いますね。 玉川:なんで海外の人は日本のコンテンツを見たいと思えるようになってきているんですか? 早川:1つはコロナ禍がきっかけですね。日本のコンテンツは言葉の問題がありますから、北米のマーケットではなかなか難しいと言われていましたし、私もそう思っていました。 ところが、北米の市場は字幕のものはあまり需要がないと言われていたんですけど、ここ数年で大きく変わったんです。つまり、若い人たち、Z世代が日本作品を字幕で観ることに抵抗感がなくなってきたと。そうした変化がコロナ禍のあいだで生まれたということですね。 玉川:ほうほう! なぜ字幕に対する拒否感がなくなったんでしょうね? 早川:なぜかははっきりとわかりませんが、やっぱり多様なコンテンツを見たいからだと思います。そうしたなかで、日本の物語はすごく優しいところも刺さる要因としてあるように思えます。 (TOKYO FM「ラジオのタマカワ」2024年12月5日(木)放送より)