大谷翔平の来季日本開幕での「二刀流」復活不透明 投手としての復活がずれ込む可能性浮上
【サンアントニオ(米テキサス州)6日(日本時間7日)=四竈衛】大谷、開幕二刀流ピンチ-。前日、左肩関節唇の手術を受けたドジャース大谷翔平投手(30)の来季日本開幕での「二刀流」復活が、不透明な状況であることが明らかになった。同地で開催中のGM(ゼネラルマネジャー)会議の会場で、ド軍ブランドン・ゴームズGM(40)が今後の見通しを説明。リハビリの進行状況次第だが、投手としての復活がずれ込む可能性が浮上してきた。 ◇ ◇ ◇ 時折、白い歯をのぞかせながらも、ゴームズGMは慎重に言葉を選びながら大谷の復帰プランを語った。「春季キャンプに準備できることを期待している」と前向きな姿勢を見せる一方で、「これから確認していくが、標準より複雑でもあり、何がベストのやり方かを話し合っていく」と続けた。前日、手術の報告を受けた直後でもあり、今オフのリハビリの詳細は未定。それでも「複雑」との言葉に楽観視していない姿勢をにじませた。 昨年9月の右肘手術からのリハビリは、ここまで順調に進み、公式戦の最終段階では90マイル(約144キロ)を超える速球を投げる段階まで回復した。当初はオフ期間に投手としてのトレーニング、調整を続ける見込みだったが、今回の負傷、手術で投球プログラムは一時中断せざるを得なくなった。同GMは「どういう段階へ進んでいくか。すべてのポイントをチェックしながら、健康上でベストの位置はどこかを探っていく」と慎重論に終始。東京で開幕する来年3月18日からの2連戦で「二刀流」として華々しく復活するプランは、現時点で白紙となることが確実となった。 もっとも、投手としての復活が多少先送りされたとしても、大谷が先発ローテの柱となることに変わりはない。同GMは山本、グラスノーらの名前を挙げたうえで、先発6人制について「翔平のリハビリの過程にもよる」と注釈を付けつつも「それは公平な意見だ」と、導入に前向きな考えを明かした。 今後は、医師、トレーナー、トレーニングスタッフらが話し合い、リハビリ計画を再検討する予定。同GMは「我々は最初から最後まで正しいことに集中していきたい」と、真剣な表情で見通しを口にした。投手としての調整はスローダウンするものの「打撃の方が感覚はいいだろう」と、DHでの出場には問題ないとの認識を示した。ワールドシリーズ連覇を目指すうえでも、「投手大谷」での開幕に固執する必要はない。あくまでもポストシーズンの10月を見据えて、リハビリ&調整を進めていくことになりそうだ。 ○…ド軍ゴームズGMが、左腕クレイトン・カーショー投手(36)との再契約にあらためて前向きな姿勢を見せた。同投手は来季年俸1000万ドル(約15億円)の契約オプションを破棄し、FAとなった。もっとも、カーショー自身は新契約での残留を希望。同GMは「明らかにクレイトン(カーショー)は、我々にとって最も優先順位は高い。彼が治療してどんな感じになるのか、話し合っていく」と、交渉を継続する考えを明かした。