東京・荒川区長選 自公推薦候補敗れる 無所属の元都議が初当選
10日投票の東京都荒川区長選は11日に開票され、元都議で無所属新人の滝口学氏(54)が初当選を果たした。いずれも無所属新人で元荒川区議の町田高氏(50)=自民、公明推薦=と共産党荒川地区委員長の茂木正道氏(70)=共産推薦=を破った。【小林遥、長屋美乃里】 5期務めた西川太一郎区長(82)の退任後、20年ぶりの新区長誕生となる。投票率は38・57%(前回31・85%)、当日有権者数は16万9606人だった。 滝口氏は11日午前10時半過ぎ、当選確実の一報を受けて事務所に姿を見せ、「これまでの全てを荒川区に注ぐ覚悟でやってきた。皆さんと一緒に新時代の荒川区をつくっていきたい」と述べた。 西日暮里駅前の再開発事業については「再開発エリアだけでなく周辺も含めて活性化させる。そこで生活している人もいるので、寄り添いながら調整したい」と語った。 東京23区の区長選では4月の目黒区、6月の港区に続き、自民の推薦を受けた候補者が落選した。10月の衆院選小選挙区では、荒川区全域と足立区の一部からなる29区は公明の公認候補が当選した。 滝口氏は勝因を問われ、「政治とカネの問題を含め、既成政党ではない私に期待が集まったのではないか」と語った。このほか、投票率が前回より7ポイント近く上がったことで、無党派層の票を多く取り込めたとみている。 滝口氏は荒川区議を経て、都議を通算11年間務めた。小池百合子知事が特別顧問を務める「都民ファーストの会」の都議団幹事長にも就任した。2カ月前に都議を辞職して立候補し、地域コミュニティーの活性化や子育て環境の充実、防災体制の強化を掲げた。 10日投票の区議補選(改選数1)も11日に開票され、自民元職の土橋圭子氏(67)が当選した。