会社の成長目指し「店舗数増やす」 ヨークベニマル(本社・福島県郡山市) 大高耕一路次期社長が抱負
3月1日付でヨークベニマル(本社・福島県郡山市)の社長に昇任する大高耕一路取締役専務執行役員営業本部副本部長(54)は15日、福島民報社のインタビューに新体制の抱負や地域貢献への思いなどを語った。 ―社長就任の抱負を。 「少子高齢化に伴い、5年後、10年後も現在のような経営環境を維持できるか危機感を持っている。お客さまや従業員が将来にわたって笑顔でいられるように取り組む。創業者の祖父が生前、『孫をヨークベニマルに入社させるつもりはない』と言っていたと聞いている。そのため就職先は自分で探し、約30年、伊藤忠商事に勤務した。海外駐在も3度経験している。これまでのヨークベニマルにはなかった新たな視点が自分の強みになる」 ―持続可能な会社をどのように築くか。 「会社を成長させるために店舗数を増やす。一方で従業員の確保が一番の課題になる。新入社員は女性の比率が高まっており、出産や子育てなどで会社を離れたとしても、希望すれば復帰できる機会を設けていく。買い物の場に加え、働く場としても魅力を高める。ヨークベニマルの強みの一つである店内調理の維持、拡大にも力を注ぐ」
―社会貢献に積極的に取り組んでいる。 「店舗に設置しているリサイクルステーションは多くの人に利用してもらっている。ペットボトルの回収率はグループ会社で最も高い。家庭で使い切れない食品を集めて子ども食堂に寄付するフードドライブ事業なども積極的に展開する。現場で働く社員の負担を減らせるように工夫しながら一つ一つ積み重ねていく」 ■県民に恩返しできる企業に 社長から会長に就く真船幸夫氏 会長に就く真船幸夫社長(66)も思いを語った。 ―9年間、社長を務めた。 「増収を維持するなど相応の業績を達成できた。新型コロナウイルス感染拡大など困難な局面もあったが、従業員は『お客さまに食を届ける』との使命感で日々努力し、顧客満足度を高めてきた」 ―社長として意識してきたことは。 「『1人のお客さまに誠実を尽くす』という創業精神を常に心がけてきた。その思いを途切れさせることなく社長をバトンタッチできる。経営環境は少子高齢化などで一層、大変になるが、心のこもった経営、思いやりのある経営が大事になる」
―会長として今後の立ち位置は。 「新体制がうまく船出し、海原を勢いよく走れるように風を送っていく。ヨークベニマルは福島に育てられた。県民に恩返しできる企業にしていく」