災害廃棄物7年分244万トン 県全体推計 珠洲が最多132年分
●海上輸送も活用、25年度末処理目標 石川県は6日、能登半島地震によって発生する災害廃棄物の推計値を公表し、県全体では平時のごみ排出量の約7年分に相当する約244万トンになると見通した。市町別では珠洲市が平時の132年分、奥能登2市2町では59年分に上った。県は陸上・海上での輸送を進めて県内外の処理施設を活用する方針で、2025年度末までの処理完了を目標とする。 珠洲市が57・6万トンと最多で、七尾市49・8万トン(平時のごみ排出量の24年分)、輪島市34・9万トン(同31年分)、能登町31・3万トン(同46年分)、志賀町28・9万トン(同44年分)、穴水町27・5万トン(同96年分)などと続いた。県全体の244万トンは07年の能登半島地震の約10倍となる。16年の熊本地震の際は311万トンだった。 野々市市と川北町は災害廃棄物がなく、津幡と白山、能美、小松、加賀の各市町は1000トン未満となっている。 全壊・半壊建物5万644棟のうち約2万2千棟を25年10月までに解体する想定で、現在11市町14カ所に設置されている災害廃棄物の仮置き場の増設を検討する。トラックでの運搬に加え、奥能登2市2町の港から海上輸送し、全国の解体事業者らと協力して広域で処理する。 ●16市町が「公費解体」 建物の解体については、白山、野々市、川北の3市町を除く16市町で、所有者の申請に基づき、市町が所有者に代わって解体・撤去する「公費解体」を行う。全壊、大規模半壊、中規模半壊、半壊と認定された建物が対象となる。 6日、県庁で会見した馳浩知事は「ぞっとする数字だ」と表現した上で「放置されると、あらゆる復旧復興の足かせになる。全国の支援をお願いしたい」と訴えた。処理費用は、現行の国補助制度では、市町が2・5%を負担することになるが、知事は「予算規模を考慮し、できるだけ負担がないよう、国に要望している」と説明した。 災害廃棄物の発生量は、各市町の全壊・半壊棟数から推計し、全壊・半壊数が不明な市町は防災科学技術研究所のデータや、応急危険度判定を活用した。