佐藤流司×橋本祥平が俳優として大切にしていること「相手のためにお芝居をする」
カンパニー全体で作り上げていく
――スルメのルーツをたどることになるような物語かと思うのですが、脚本を読まれていかがでしたか? 橋本 「そうやってつながるのか!」だとか、いろいろと思いましたが、最初にもらった台本とはいろいろと中身が変わっているので、さらに物語を深めやすくなっていると思います。 ――佐藤さんは鱗蔵として今回のスルメをどのように捉えていらっしゃいますか。 佐藤 スルメがどうなるかを、カンパニーで話し合って作っている最中なんですよ。大筋は決まっているんですけど、細かいところをもう少しみんなで詰めていこうかな、というところです。スルメをどう受け止めてもらえるかが、この作品の根幹に関わると思うのでみんなで丁寧に作っている最中です。きっと作中で麟蔵が感じることと、観に来てくださったお客様が同じ目線になる気がしていますね。 ――映画でもみなさんでディスカッションしながら、ということだったかと思うんですけど、やはり今回も丁寧に話し合いをしながら進めていらっしゃるんですね。 佐藤 そうですね。やっぱり人間が作る作品ですし、しかもファンタジーの要素も入っていると、どうしても矛盾点なども出てきます。最初は、我々も一人のオーディエンスとして台本を読んでいるので、そのときに生じた「これってどういうことなんだろう?」という疑問をひとつずつ潰していっている感じですね。 ――現在、稽古中というところで、難しいと感じていることだったり、上演に当たって楽しみにしていることをお聞かせください。 橋本 今回、2人でのパートがあって、すごく嬉しいんですけど、最近そのパートの振り付けをしたんです。彼が隣で踊っているわけじゃないですか。振り覚えが速すぎて、大変なんですよ、本当に! 佐藤 ははは! 橋本 ちょっと待ってくれよ! って。でも、できない人はできる人に合わせないといけないんで、もうヒーヒーです。 佐藤 なんだろうなあ。演出自体、最後までついていないんですよね。まだギリギリ、コメディパートの段階までぐらいなんです。起承転結の転のところに差し掛かっているところ。いまのところ、小柳心くんがずーっとふざけています(笑)。 そろそろ真面目なシーンにシフトしていくので、楽しみですね。個人的にシリアスなところが好きなんです。そこに心をおきたいので、大事に演じていきたいなと思いますね。