1室30万~40万円「最高級のプライベートホテル」誕生へ 訪日客狙い、活性化に期待する長野県の黒姫高原
長野県信濃町の黒姫高原で、富裕層向けホテル「Loma(ロマ) NAGANO KUROHIME」の建設が進んでいる。妙高山(新潟県妙高市)や黒姫山を背景に、スキー場を含め高原を望む場所にあったホテルを改修・改装し、今秋以降に開業予定だ。経営する熊本市の企業「ロマ」は、ホテルからの眺望を「抜群に良い」と評価。欧州系のインバウンド(訪日客)需要などを見込んでいる。 【地図】建設中のホテル「ロマ」の場所はこちら
周辺の宿泊施設はペンションやロッジが中心で、町によると現在、ホテルは2施設あるとみられる。町の観光振興や雇用創出を含めた地域活性化としてロマ開業は期待されている。
同社によると4階建て鉄筋コンクリート造りで、客室は全10室(各110~157平方メートル)。サウナや暖炉など部屋ごとに異なる設備と間取りが特徴で、ゲレンデ直結の「スキー準備室」や「創作フレンチ」のレストランを設営予定という。
「ロマ」は「長期の休暇」を意味するフィンランド語といい、繁忙期の利用料で1室30万~40万円を想定しており「最高級のプライベートホテルにしたい」とする。
ホテルは、全国にホテルを展開する「ブリーズベイホテル」(横浜市)が温泉付きホテルとして営業。ロマと同じグループ企業が22年、土地・建物を取得した。
既に宿泊や調理、事務スタッフの募集を開始。ロマ開業準備室は「町の活性化につなげ、宿泊者はもちろん地域に愛されるホテルにしたい」とした。
信濃町内の再開発を巡っては、シンガポールの不動産投資ファンド、ペイシャンス・キャピタル・グループ(PCG)が、野尻湖(信濃町)、斑尾高原(飯山市)、妙高高原(新潟県妙高市)エリアでスキー場やホテルを取得。国内外の富裕層などをターゲットに長期滞在型リゾート地づくりを進めている。ロマ開業準備室はPCGの再開発について「ライバルではなく共存していきたい」としている。