Aimerが語る、海外ツアーで受けた「愛」、感情を素直に楽曲で表現できた理由
海外ツアーを経て、Aimerに生まれた“ある感情”
ー前回のインタビューでは、「『海外にも居場所がある』という感覚を味わって帰ってきたいなと思います」ともおっしゃっていましたが、そこに関してはいかがでしたか? 実は、良い意味で戸惑ってしまうくらいの“愛”をオーディエンスのみなさんからいただきました。海外ツアーは5年ぶりで、さらに海外でのアリーナツアーは初めてだったので、正直ステージに立つまでは半信半疑だったんですが、いざステージに立ったらオーディエンスの方々の声の震えだったり、リアクションだったり、会場の雰囲気だったり、そういった“すべて”を頭で考えるより先に、体で感じることができました。アリーナっていう大きなステージに立つライブにおいては初めてじゃないかっていうくらい、あまり緊張せずにパフォーマンスができましたね。もう、どう返したらいいかわからないくらいの愛をもらったような気がします。 ーオーディエンスからもらった愛の力も、新シングルで「自分の感情を素直に表現できた」ことにつながっているのかもしれませんね。 まさにそうだと思います。「もらった愛に応えられるように1曲1曲を大切に歌っていかないと/歌っていきたい」という気持ちが改めて芽生えたので、自分の感情を真っ直ぐ言葉や曲にするっていうのを今やっても良いかもしれないと思えたんですよね。あと、海外ツアー中も日本のみなさんがメッセージを届けてくれたりしたお陰で、「ちゃんとホームがある」「守ってくれている」っていう安心感があって。そういう守られている安心感の中で海外でも温かく迎えていただいて、その両方が合わさったことで、歌やパフォーマンスで思い悩んでいた部分を砕くことができた感覚もありました。なんていうか、「穴が開いて光が見えてきた」みたいな感覚というか……。海外ツアーを経て「自分自身に喝を入れて、もっと先へ羽ばたいていきたい」という気持ちもより大きくなったと思います。 ー「喝を入れたい」というのは驚きました。そう思うほど、大きな愛を受け取ったんですね。 はい。今回のツアーでは「1」が「2」になることの意味も、改めて強く感じました。デビュー曲「六等星の夜」で歌い始めたときを思い返すと、正直「誰か聴いてくれる人がいる」とか、そういうイメージはあんまりしないで作ったというか。「自分のために作った」という気持ちが大きかったんですが、たった1人の“誰か”がそれを聴き始めてくれた、その瞬間の感動っていうのは、自分にとってすごく大きくて。たった「1」が「2」になっただけの違いだけど、孤独な「1」が「2」になることって、数字の大きさよりももっと大きな意味があると思うんです。みんなひとりぼっちだけど、だからこそ誰かと手を取ることがすごく大切だなって、そういうことを強く感じたツアーでもありました。 ーリード曲「Sign」でも、「出会い」や「孤独」について歌われていますよね。 そうですね。「Sign」は、TVアニメ『狼と香辛料MERCHANT MEETS THE WISE WOLF』第2クールオープニングテーマなので、制作前に原作を読ませていただいたんですが、印象的だったのが主人公の行商人クラフト・ロレンスと、女の子ホロのやり取り。元々とても孤独だった2人が出会って共に旅をするんですが、その様子をみていて、「きっと孤独を感じていた2人だったからこそ、旅がよりかけがえのないものになるんだよな」と思ったんです。そういった部分を自分に重ね合わせて楽曲を制作しました。 ーその2人の様子から、Aimerさんの活動にも通じる何かを感じ取ったんですね。 そうです。私も13年くらいの音楽活動の中で音楽を通じて本当にたくさんの方に出会ってきたし、そういう出会いの1つ1つが自分に刻まれているなっていうのを改めて感じることができました。曲1つ取っても、1曲1曲に刻まれた思い出だったり、誰かとの繋がりだったりがありますし。 ー5年ぶりの海外ツアーを通してさまざまな心境の変化があったと思いますが、10月からは日本ツアーも始まります。今のお気持ちはいかがですか? 実は、今年はまだ全然日本でパフォーマンスができていないんです。日本のリスナーのみなさんをすごく待たせちゃっているなっていう気持ちがあるので、日本の方々にも忘れられないように、みんなにちゃんと思い出してもらって、心に印をつけてもらえるようなツアーにしたいと思っています。あと、ホールツアーは2年ぶりくらいなので、純粋にとても楽しみですね。アリーナもすごく好きなんですが、ホールというオーディエンスとより近い距離でのライブは自分に合っているなと常々思っているので、そういう会場で各地でパフォーマンスをできるのが楽しみです。 ー海外ツアーを経て変化を遂げたAimerさんのパフォーマンス、どんなものになるのか楽しみです。 ありがとうございます。ツアータイトルの“lune blanche”はフランス語で、日本語では「白月」というのですが、これは古代インドの暦法で月が満ち始めてから満月に至るまでの15日間の称なんですね。なので、いろんな方法で「満ち欠け」を表せたらなと思っています。今までとは違った新しいツアーにできたいいなと思っているので、ぜひ楽しみにしていてほしいです。 ーでは最後に、今後の活動のビジョンを伺いたいです。「羽ばたきたい」という印象的な言葉も出ましたが、今後の活動はどのようなものになりそうでしょうか。 新シングルを作り終えたばかりなので、まだハッキリとはイメージできていないですが、今回の海外ツアーは「どういうふうに歌を歌ったら、自分が一番自由に広がっていけるんだろう」というのを改めて考える機会にもなりましたし、前まで「『自分』を前に出しちゃいけない」と思っていた気持ちも、ゆっくり変わり始めています。広い目で話すと、私はもうすでに15周年のことを考えているので、まだ具体的にどういうものかっていうのは言えないし内緒にしたいけど、みんなにきっと喜んでもらえるようなものを作りたいなと思っています。 <リリース情報> Aimer 『Sign』 2024年8月28日(水)リリース 発売形態・価格 ・初回生産限定盤(CD+BD)/ VVCL 2554-2555:価格 1760円(税込) ★「Sign」Music Video収録DVD同梱 ・通常盤(CD)/ VVCL 2556 価格 1320円(税込) ・期間生産限定盤(CD+BD)/ VVCL 2557-2558:価格 1760円(税込) ★TVアニメ『狼と香辛料MERCHANT MEETS THE WISE WOLF』描きおろしイラスト使用ミニポスター&三方背ケース仕様 ★TVアニメ『狼と香辛料MERCHANT MEETS THE WISE WOLF』ノンクレジットオープニング映像収録BD同梱 <ライブ情報> Aimer2024年秋全国10都市19公演ホールツアー 2024年 10/25(金)10/26(土)市川市文化会館 大ホール(千葉県) 11/2(土)11/3(日祝)神戸国際会館こくさいホール(兵庫県) 11/30(土)12/1(日)仙台サンプラザホール(宮城県) 12/6(金)12/7(土)愛知県芸術劇場大ホール(愛知県) 12/14(土)12/15(日)パシフィコ横浜 国立大ホール(神奈川県) 2025年 1/12(日)1/13(月祝)福岡サンパレスホテル&ホール(福岡県) 1/25(土)1/26(日)ロームシアター京都 メインホール(京都府) 2/1(土)高崎芸術劇場 大劇場(群馬県) 2/21(金)2/22(土)フェスティバルホール(大阪府) 3/8(土)3/9(日)東京ガーデンシアター(東京都) チケット価格 【全席指定】8800 円(税込) ライブ情報詳細
Nagisa Nasu