スピードゴルフで鴨川の小川選手が年間チャンピオンに(千葉県)
打って、走って、また打って――。 ゴルフのスコアとコースを回る速さを競う「スピードゴルフ」の2023年ツアー・シニアの部(50歳以上)で、鴨川市八色の会社員、小川泰樹選手(53)が年間チャンピオンに輝いた。一昨年に続く2連覇で、「過酷なスポーツだが、2年連続で日ごろの練習の成果が出て良かった」と喜びを語った。 スピードゴルフは、1979年にアメリカで始まったとされ、通常のゴルフコースを使用し、ストローク数(打数)とプレー時間の合計を競う。日本では、一昨年から日本スピードゴルフ協会がツアーを開催。新しいゴルフの楽しみ方として盛り上がりを見せている。 小川選手は昨年、6試合に出場。12月に栃木県で開催された最終戦、ジャパンオープンでスコア82、ラン54分49秒を記録しシニアの部で優勝するなど、同部で計4試合を制し、50人が出場した同ツアーの年間チャンピオンに決まった。 小川選手は、大学時代にゴルフ部に所属。以降、「コースの上を歩くのが気持ちいい」と、カートに乗らずにプレーを楽しんでいるという。一方、フルマラソンやトレイルランの大会に、約20年前から年間5回ほど出場。6年前、同僚からスピードゴルフを紹介され、「ゴルフも、走るのも好きな自分にピッタリだ」と、競技の世界に飛び込んだ。 全長7~8キロある18ホールを、小川選手は55分前後で回る。クラブケースを持って走るため、使用するクラブは4、5本のみ。打ったらボールの着地を見ずにすぐ走り出し、「ボールは感覚で追う」という。ボールの行方を追いやすくするため、コンパクトなスイングも意識している。 アップダウンや平たんなコースに合わせ、ペース配分を考えながら走るマネジメントも重要。「酸欠はタイムロスにつながる」。グリーン上では、左手でケースを持ったまま、右手だけで長さ50センチの短いパターを握って打ち、カップインを目指す。 「とにかく過酷。途中、二度とやるもんかと思うが、終わった後の達成感、爽快感がたまらない」と魅力を熱弁する。体幹を鍛えるため、筋トレやランニングは毎日欠かさず、2日に1回は出勤前に5キロのランニング。ゴルフは週1回練習場に通い、月3回はコースを回って腕を磨いている。 今年は日本で世界選手権も予定されており、「シニアで世界一になり、ツアーも3連覇を目指したい」と意欲。「スピードゴルフは自分にしかできないスポーツ。年齢と共に体力が落ちてくるが、体力が続く限り続けたい」と鍛錬に励んでいる。