北海道・紋別で将棋名人戦、続く熱気 勝負飯にファン殺到 どら焼き販売数10倍、観光客店巡りに期待
【紋別】市内で26、27日に行われた将棋の第82期名人戦7番勝負第5局では、白熱した対局とともに藤井聡太名人、豊島将之九段が選ぶ勝負飯に注目が集まった。選ばれたメニューがメディアで速報されると、将棋ファンらがつめかけ、販売数が通常の10倍になった店もあり、紋別の将棋フィーバーは続きそうだ。 【動画】<ドキュメントD>「山を知る」島牧でヒグマハンター育成 「2人に選ばれました」。実行委から電話を受け、「紋太くん塩バターどら焼き」(216円)を考案した高砂屋菓子舗の店主渡辺孝博さん(61)はガッツポーズした。 バターで塩味を利かせ、紋別のキャラクター「紋太」を焼き印したどら焼きで、藤井名人が塩バター好きと聞いて商品化した。初日午前のおやつに選ばれると、それを知った買い物客が続々店を訪れ、通常のどら焼きが1日20~30個のところ、2日間で約700個も売れた。人気は衰えず、こん包材とバターが不足するほどで「反響がこんなにすごいなんて」と驚く。 名人戦に先立ち、藤井名人と豊島九段は観光名所のオブジェ「カニの爪」で、報道陣にVサインする「カニポーズ」を披露した。そのオブジェを模し、本物のカニの爪を盛り付けたのが政寿司(ずし)の「オホーツク海鮮丼」(3080円)だ。紋別産のホタテやイクラなど海の幸6品を盛った一品は、初日の昼食に豊島九段が選び、その日だけで20人以上が注文した。店主の小森崇夫さん(70)は「紋別が注目されてうれしい」と話す。