政局不安に外国人投資家「セルコリア」…ウォン相場2年ぶりの安値水準
ウォン相場が1ドル=1440ウォンに迫るほど急落した。2年2カ月ぶりの安値水準だ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領弾劾訴追案が可決されたが政局不安から外国人投資家の離脱がウォン下落を圧迫した。ここに米国など主要国の政策金利決定を控えた投資警戒によみがえった強いドルも影響を与えた。 17日のソウル外国為替市場でウォン相場は終値基準前営業日より3.90ウォンのウォン安ドル高となる1ドル=1438.90ウォンで取引を終えた。終値基準で2022年10月24日の1439.70ウォン以来のウォン安水準となる。この日のウォン相場は2ウォン安い1437ウォンで取引を開始したが、取引開始価格基準でも2022年10月25日の1444ウォン以降で最低水準だ。 この日韓国証券市場から外国人投資家が大挙抜け出たのもドル需要を高めウォンの価値を引き下げた。この日韓国総合株価指数(KOSPI)は前営業日より32.16ポイント(1.29%)値を下げ2456.81で取引を終えた。外国人投資家はこの日KOSPI市場で韓国株式を7125億ウォン相当売り越した。外国人投資家は11日からこの日までの5営業日で1兆4784億ウォンの資金を引き揚げた。 主要国の通貨政策に対する警戒感も高まっている。米連邦準備制度理事会(FRB)は17~18日の連邦公開市場委員会(FOMC)会議で政策金利を0.25%引き下げると予想される。ただ物価への懸念から今後引き下げ速度を調節する「タカ派的引き下げ」となるとの見方が多い。 また、円や人民元などアジア通貨安もウォン安をあおる要因だ。日本銀行は18~19日の金融政策決定会合で政策金利を決めるが、据え置くとの見通しが優勢で円が下落した。人民元もやはり中国内需不振など成長鈍化への懸念で劣勢だ。 KB証券のキム・ジウォン研究員とイム・ジョンウン研究員は「FOMCの警戒感とともに政治的不確実性が完全に解消されていない点がウォン安をあおり3日連続で値を下げ再び1440ウォン台に近接した」と話した