ウエスタンリバー鉄道のキャストは鉄道の免許を持っている? 本物のSL列車を走らせている理由とは
◆創業者ウォルト・ディズニーの夢
ディズニーランドが本物のSL列車を走らせているのにはわけがある。それは、ウォルト・ディズニーが大の鉄道ファンだったからだ。彼は広大な自宅の庭に大きなサイズの鉄道模型を走らせていたという。したがって、ディズニーランドを構想したとき、それは鉄道模型のレイアウト(ジオラマ)が出発点だった。 線路を大きな楕円状に敷き、駅を造る。そして駅周辺にさまざまな建物や施設を建ててリアルな街にしていく。ディズニーランドの原点は鉄道だったのだ。それも幼少の頃の思い出だった蒸気機関車の走る鉄道。それゆえ、汽車は本物でなければならないのだ。 東京ディズニーランドは鉄道が敷地の片隅に追いやられているが、本家アメリカのディズニーランドでは、鉄道が敷地の外周を1周している。ウォルト・ディズニーが趣味で製作していた鉄道模型のジオラマが発展拡大した「夢の世界」なのだ。 この記事の筆者:野田隆 名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線のSL「D51」を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、『ヨーロッパ鉄道と音楽の旅』(近代文芸社)を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010年3月で教員を退職。旅行作家として活躍中。近著に『シニア鉄道旅の魅力』『にっぽんの鉄道150年』(共に平凡社新書)がある。
野田 隆