[ハーレーカスタム] 1966 アーリーショベル:タイトでスキニーなリアルチョッパー〈ラックモーターサイクルズ〉
珠玉のチョッパーが神戸に集結する、毎年恒例のインドアカスタムショー「ニューオーダーチョッパーショー」が2023年夏も開催。ビルダー同士で決めるベストオブチョッパー(ナンバーワン)に輝いたのが、このアーリーショベルだ。奥深き世界がそこにはある。 【この記事の写真をまとめて見る】[ハーレーカスタム] 1966 アーリーショベル:タイトでスキニーなリアルチョッパー
2023 ニューオーダーチョッパーショーの“ベストオブチョッパー”
ニューオーダーチョッパーショーはコンテスト形式になっており、参加するビルダー同士が投票し、ベストが決まる。つまり、プロが認めたものが選出されるというわけだ。 そして2023年ナンバー1に輝いたのが、ラックモーターサイクルズの杉原雅之氏。レッドホットチリペッパーズのベーシスト・フリーからカスタムを依頼されたことでも知られる世界的ビルダーで、ベストオブチョッパーもこれで3回目。 今回は、ハイドラフレームのステムを1.5インチ伸ばし、シングルダウンチューブ化したフレームにアーリーショベルを積んだ。今回に限らず、製作時はオーナーとのコミュニケーションは欠かせない。乗り手の体格/好み/ファッションなども吟味し、細部が仕上がっていくからであり、完全なるオーダーメイドだ。すべてがオーナーに向けてクリエイトされていく。 『ウィズハーレー』取材班は、カスタムショーの直前、ラックモーターサイクルズのガレージにお邪魔し、一足先に撮影する機会を得て、実車を舐め回すように拝見した。極限にまでタイトで、一切の無駄がない。芸術的な美しさを漂わせていて、見惚れてしまうほど惹きつけられるオーラがあったのだった。 ◆フロントフォークからそのまま真っ直ぐに伸びた先にハンドルがあり、邪魔なものは何もない。それは車体全体にも言えることで、ここまで詰めて、無駄に感じるものを削ぎ落とすことができるのかと舌を巻く。見えない隅々にまで手の込んだ仕上がりなどと、よく使う表現ではあるが、覗き込めばすべてが見え、隠れているものなど皆無。そして徹底的にタイトであり、気持ちの良いバランスで成り立っている。 ◆せり上がるようにして高い位置までネックが伸びてから、バックボーンがリヤタイヤの車軸に向かって真っ直ぐに下っていく。分かれた一方のダウンチューブは1 本しかなく、こちらも落下するかのように気持ちよく伸び、途中から二股に分岐するのだ。 ◆ダウンチューブの流れを目で追っているだけでワクワクしてくるから不思議で、途中には小振りなタンクが載っていたり、寸分狂わずフレームに沿ってシートが這うように備わっている。そのど真ん中には、ストロークアップし80ci(1340cc)に拡大したアーリーショベルが置かれ、機能美に満ちあふれている。
────────── ●文:ウィズハーレー編集部(青木タカオ) ●写真:ミヤシーノ宮下豊史 ※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
ウィズハーレー編集部
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