グエン・ドクさん、53回目来日「日本は第二のふるさとです」ドキュメンタリー試写会
ベトナム戦争で米軍が散布した枯れ葉剤の影響とみられる結合双生児として生まれた「ベトちゃんドクちゃん」の弟、グエン・ドクさんが11日、都内で自身の人生を描いた長編ドキュメンタリー映画「ドクちゃん―フジとサクラにつなぐ愛―」(川畑耕平監督、5月3日公開)の来日特別試写会に出席した。 本作では、兄・ベトさんとの分離手術から35年がたったドクさんに密着。2006年に結婚した妻との間に、09年に誕生した双子の子どもら家族との日常や、平和への思いなどが描かれている。 ドクさんは、試写会が日本赤十字看護大学内で行われたことから「兄が病気になった時に初めて日本で入院したのはこの日赤病院でした。分離手術の時の機材も日赤病院に提供頂いた。今回で来日は53回目。日本は第二のふるさとだと思っています。戻れてうれしい」と笑顔を見せた。 本作については「映画をみてくださった方には、平和の大切さを周囲の人に広めて頂きたい」と願いを語った。 下半身がつながった状態で生まれたドクさんらは1988年、日本の支援で分離手術を受けた。兄のベトさんは2007年に死亡。ドクさんは今も健康問題を抱えている。
報知新聞社