その成長は早すぎない? 娘のおっぱいが膨らんだ「思春期早発症」ってナニ? 男の子は特に注意を
■特に男の子は症状が見られたら要注意
ところが、中には注意が必要な場合もある。内木医長によれば、男の子は“脳腫瘍”がある場合にも、思春期早発症の症状が見られることがあり、血液検査で腫瘍マーカーを確認し、少しでも陽性だった場合は、より精密な検査へと進めていく必要があるという。 さらに、早産などで小さな体で生まれたこどもは、思春期早発症を発症しやすい傾向があるという。身長がなかなか成長曲線にのらず、ようやく背が伸びて同年代のこどもに追いついたと思ったら、あっという間に伸びが止まってしまうこともあるそうで、より気をつける必要があるというのだ。
■新型コロナを機に増加傾向の受診者数
実はこの思春期早発症は、新型コロナとの関連性も注目されている。国立成育医療研究センターの内分泌・代謝科の外来では、新型コロナの流行を機に、成長が早いことを心配して受診するこどもの数が増えていた。内木医長によると、同様の傾向が、海外の論文や国内の学会でも発表されているという。ロックダウンで外出できない生活がこどもの肥満につながり影響した可能性や、病気に対する親の関心の高まりなど、様々な要因が考えられ研究されているものの、まだはっきりとしたことは分かっていないのが実情だ。
■違和感があれば早期の受診を
思春期早発症の疑いがあるとされた私の娘。数か月待ちで予約がとれた専門病院で検査をしてもらった結果、直ちに治療の必要がある状況ではなく、経過観察となった。 自分の体が人と違い、おかしな所があるのではないかと、顔色が曇る娘に対し、安心させる声かけができていたかを自問自答する。「他の子よりもちょっと成長のペースが早いだけだよ」内木医長は外来で、そうこどもに話しかけるという。そして、こどもの病気も自分の責任と考えがちな、私たち親へのアドバイスとして「こどもの成長の様子に違和感があったら、早期に病院で相談し、経過をみてあげることが大切だ」と話す。