【Jr.ウインターカップ2023-24】40得点越トリプルダブル!海外挑戦を見据えるNorth Wave No.4宮城美海[中学バスケ]
驚異のスタッツにも慢心なし、武器を磨き高みを目指す
41得点、12リバウンド、11アシスト。この驚異的なトリプルダブルに加えて6つのスティールを奪った選手がいた。 【写真30点】猿橋Bb jr.×North Waveフォトギャラリーをチェック 1月4日より開幕したU15世代の頂点を決めるJr.ウインターカップ。女子1回戦で猿橋Bb jr.(山梨)と対戦したNorth Wave(兵庫)は、2Qからギアを上げて相手を突き放すと、最終スコア80-65で勝利。昨年大会では1回戦で1点差の惜敗を喫していたが、その雪辱を晴らす形で2回戦進出を決めた。 冒頭のスタッツはNorth WaveのエースNo.4 宮城美海のこの試合で記録したものだ。 158cmと決してサイズがある選手ではないが、フィジカルを生かしたドライブでインサイドに切り込んだかと思えば、絶妙なドリブルワークからズレを作っての3Pシュートなど、多彩なオフェンスの引き出しを持つ。また、11アシストという数字にも表れるように、味方を生かす術も理解しており、将来はアリメカ挑戦という野望を抱いている。 8人兄妹という大家族の4番目、年上の兄姉はいずれもバスケをやっており、自身も4歳の頃から体育館に付いていき、母が指導するチームで自然とバスケを始めた。 そして、今大会でチームの指揮を執っているのも、母・宮城佳代子コーチだ。ミニバス時代から母と娘の二人三脚で共に戦ってきた2人だが、あくまでもコートではコーチと選手の関係。美海は「バスケを始めた最初の頃から母のことは『コーチ』と呼ぶようにしていて、バスケのときはコーチだと割り切っています。家ではあまり怒られることはないのですが、コートに入ると別人で、バスケのときはめちゃくちゃ怒られます」と言う。 バスケに対しては厳しい母だが、1人の指導者として宮城を見たときには「3Pも打てますし、中に食い込んで点を取る力もあるので、すばらしい選手だと思います。指導者としては19年になりますが、特別な才能を持っているように感じます」と娘を評価する。だが、1回戦の出来については「ディフェンスをサボってしまう場面があったり、『自分が』となりすぎて周りが見えていない部分もあったので100点は与えられない」ときっぱり。スタッツには目もくれない。確かに前述したスタッツは驚異的なものだが、シュートの内訳を見ると3Pシュートは6/27(22.2%)、2Pシュートも8/19(42.1%)と決して良くはない。それは美海本人も意識している部分で「いつものように3Pが決まらなかったり、チームメイトと合わせられるところも合わせられなかったりと、マイナスな部分がありました」と、まず口にしたのは反省の弁だった。親子そろって慢心は一切ない。 最大の武器はシュート本数にも表れる3Pで、特にサイズを補うべくドリブルからの3Pやディープスリーに力を入れる。「彼女自身が自分が小さいことを理解しているので、普通の3Pのみならず、自分からディープスリーも練習するようになりました。3Pのシューティングのときは半分は普通の3Pで、もう半分はディープスリーの練習。普通の3Pは2Pのジャンプシュートくらいの確率、ディープスリーは普通の3Pくらいの確率で入るようになってきたと思います」と佳代子コーチが話すように、実戦を想定した練習で日々技術を磨いている。 憧れはウォリアーズのステフィン・カリー。3Pのみならず、ドライブやアシストなどを織り交ぜながらゲームを支配するプレースタイルに惹かれたという。 今大会では親子でテレビ番組の密着も受けているそうで、41得点という大会歴代3位タイの得点も含め、2回戦ではさらに注目されることだろう。だが、美海が目指すのはそこではなく、あくまでも選手としての高みだ。まずは2回戦でどんなパフォーマンスを見せてくれるのか見届けたい。