中森明菜が交渉5年…矢沢永吉からOKの〝粘り勝ち〟「チャイナタウン」の女性カバー デビュー25周年のファイナル企画
一方、この年は山口百恵の「いい日旅立ち」を初めてカバーしただけでなく、矢沢永吉の名曲「チャイナタウン」にも挑んだ。
明菜は25周年のファイナル企画として翌07年1月17日にカバー・アルバム「歌姫ベスト~25th Anniversary Selection」を発売したが、その中に「チャイナタウン」を盛り込みたかったのだ。業界関係者がいう。
「明菜はデビュー前から矢沢の大ファンを公言していましたからね。ただ、当時は矢沢の作品を他のアーティスト、それも女性がカバーしてCD化するなんてことはあり得ませんでした。しかも『チャイナタウン』は矢沢自身が誇る伝説的名曲。そんな曲を『カバーしたい』と言い出したわけです」
実は、明菜側が矢沢側にカバーしたい旨を打診したのは5年前だったが矢沢側から色よい返事がなかった。「明菜に限らず、矢沢は自らの作品をカバーされることに抵抗があったようですね」(前出の音楽関係者)
ところがアルバムのレコーディングの終盤近くになった頃だった。「矢沢さんからOKが出たのです。まさに粘り勝ちでしたね」(関係者)
交渉から5年。明菜の25周年の総決算ともいうべきアルバムに間に合ったわけだ。「ボーカリストとしての明菜が作品を歌い継いでいくことも重要。そういった意味で明菜ならではの企画となりました」 (芸能ジャーナリスト・渡邉裕二)
■中森明菜(なかもり・あきな) 1965年7月13日生まれ、東京都出身。81年、日本テレビ系のオーディション番組「スター誕生!」で合格し、82年5月1日、シングル「スローモーション」でデビュー。「少女A」「禁区」「北ウイング」「飾りじゃないのよ涙は」「DESIRE―情熱―」などヒット曲多数。NHK紅白歌合戦には8回出場。85、86年には2年連続で日本レコード大賞を受賞している。