「息子は発達がゆっくり系」愛川ゆず季が秘めていた障害を持つ息子 葛藤と成長の"療育記" #令和の親
普通とは何か。愛情とは何か。自閉症である5歳の息子と向き合い、成長を続けるひとりの母親がいる。 【動画(本人出演)】愛川さんが人気絶頂期の裏側から、出産後の葛藤の日々を振り返る
アイドルレスラーとして一世を風靡した愛川ゆず季さん。2013年の現役引退後にはパーソナルトレーナーの夫と結婚し、一人の子宝にも恵まれた。本格的にトレーニングを始めたのもこの頃であり、産後太りなどの女性の悩みを筋トレで解消。肉体美を競うBEST BODY JAPAN日本大会2022でグランプリを獲得するなど華やかな活躍を見せている。 だが、その裏では女性のライフステージの変化や息子の発達に悩み向き合う日々を送ってきた。
ある日感じた違和感
「1歳をすぎた頃、何も面白いことをしていないのに息子が爆笑し始めたんです。そこで『え?』って思ったのが最初でした」 手探りでスタートした子育て。そこまで育児本通りの成長を見せていた我が子に、少しの違和感を覚え始めた。2歳を越えた頃からは今まで話していた言葉が突然出なくなり、言葉が消えていくような状態になったという。『アンパンマン』など話せていた単語も口にできなくなり、無口になっていく我が子。以前から身長の伸びが悪いことも悩みの種になった。 こだわりの強さや逆手でバイバイをするといった特徴も現われた。調べてみると、これらの要項に当てはまったのが自閉症スペクトラム症(自閉症)だった。程度によっては日常生活に支障をきたす発達障害のひとつだ。 「子どもが産まれたら夢や希望を持つじゃないですか。それが一気に絶望に変わるような感覚がありました。そのくらい、『自閉症』という言葉のパンチが強かったんです」 言葉の発達が遅れている分、息子は体で感情を表現するしかなかった。その葛藤は噛みつきという形で現われ、周囲の友だちにも危害を与えるようになってしまう。そのため、子同士のつながりでできるはずのママ友もできなかった。療育(発達支援)の窓口も予約で1年待ちという状況。さらにコロナ禍も相まって何重もの苦悩だった。 ネット上にも気分を明るくしてくれる情報はなく、将来は不安でいっぱい。誰にも相談できないという状況が愛川さんのメンタルを追い詰めていった。