石田純一が「生前葬」を開いて盛り上げたが…!市場規模1兆6000億円「エンディング産業」の縮小が止まらない「納得の理由」
弔辞を読んだのは東尾理子夫人
お台場の東京ビッグサイトで8月28日(水)~8月29日(木)の両日、第10回「エンディング産業展」が開かれている。葬儀・埋葬・供養など終活事業に関連する国内最大級の展示会。約160の企業・団体が出展した。 【マンガ】「長者番付1位」になった「会社員」の「スゴすぎる投資術」の全容 28日の開場と同時にイベントステージで行われたのは、伝統仏教9宗派による合同供養で、頻発する自然災害などの物故者への供養と再興への願いを込めて合同法要を執り行った。 続いてステージでは、俳優・石田純一氏の「生前葬」も実施された。生前葬は社会活動に区切りをつけて親しかった人やお世話になった人に別れを告げるもので、弔辞を東尾理子夫人が読んだ。 墓石の石材業者、墓地・霊園業者、仏壇やや骨壺などの仏具業者といった葬儀や埋葬に直接、関係する企業はもちろん、資産相続などを扱う終活サービス、エンディング界のM&Aや経営支援、ペット霊園や散骨業者など業界の幅が広がり、そこにDX(デジタルトランスフォーメーション)など業界再編や効率化につながる動きが始まっているのが特徴的だった。
悪評だった「戒名料」も減少
エンディング産業自体は、家族葬の急増など葬儀の簡素簡略化が進み、厳しい状況が続いている。許認可を必要としない葬儀業界は、監督官庁もなく業者数や事業規模の把握は難しいが、現状、1兆6000億円と伝えられており、縮小に歯止めがかからない。 この動きは僧侶の世界にも及び、「高過ぎる」と悪評だった戒名料を始め、簡素化に合わせてお布施が減少。通夜なしの1日葬や読経なしで焼くだけの直葬も増え、習俗として定着した葬式仏教が揺らいでいる。 展示会でのイベントが合同供養で始まったのは、伝統仏教各宗派が存在意義を訴えたものだし、生前葬も単なる客寄せではなく、それなりに地位のあった人や資産家の生前葬ブームにつなげられないかという期待もある。 出展企業の動静を眺めると、葬儀、仏具、墓といった必須アイテムに、時代のニーズをすくいあげる事業モデルを加え、そこに事業効率化のためのITやDXを活用、その方向性に沿った人材を育成しようしているのがわかる。 もはや家族といっていいペットは、「人並み」に弔われており、ペット用火葬炉では60%の納入実績を誇るサントイの他、ペット供養、訪問火葬、ペット霊園などを持つ業者が出展していた。 逆に薄葬の代表的存在は、遺骨を粉骨にして撒く散骨業者だが、ハワイの海に特化したハワイ散骨センター、海洋散骨の「海散華」のほか遺骨を加工した人造石からオブジェやアクセサリーを製作するレイセキ、岐阜県の下呂温泉の山あいに森林散骨を実施するマテリアル東海、遺灰を収めたカプセルをロケットに搭載して宇宙空間に打ち上げる銀河ステージなど散骨の選択肢が増えた。