国スポ自転車男子Bスプリント 福島県勢21年ぶり榊枝天旺(学法石川高)優勝 高校自転車界「三冠」
国民スポーツ大会(国スポ)「SAGA2024」は第5日の9日、佐賀県武雄市のオッズパーク武雄で自転車の男子Bスプリント決勝を行った。榊枝天旺(てお、18)=学法石川高3年=が同種目で福島県勢21年ぶりの優勝を果たした。高校自転車界の3大タイトルと言われる選抜大会、全国高校総体、国スポの全てを制覇し、「三冠の目標を達成でき、練習を頑張ってきて良かった」と達成感に浸った。 スプリントは1対1で2周の着順を競う種目。準決勝以降は3レースのうち先に2勝した選手が勝者となる。榊枝は決勝1回戦で先行する形となり、猛追をかわして僅差で競り勝った。2回戦も積極的に前に出て、相手を寄せ付けない圧巻のレース運びを見せた。フィニッシュラインを切ると腕を突き上げた。 8日の準決勝で対戦相手と衝突し、落車するアクシデントがあった。朝起きるとむち打ちのような症状で首が痛んだ。「今日は勝てないかもしれない」。一気に不安が押し寄せた。レース前に競輪選手の父輝文さん(48)から「集大成だからみんなに感謝する気持ちを持って走れ」と励まされて力がみなぎった。輝文さんは高校時代、1994(平成6)年の愛知国体1000メートルタイムトライアルで優勝しており、親子2代でチャンピオンになった。
今月下旬には競輪選手養成所を受験し、父の後を追う。「KEIRINグランプリに出られる選手になり、トラック種目で五輪にも出場したい」。前途有望のスプリンターが将来像を思い描いた。