【ライブレポート】ReoNa、26歳誕生日にワンマンライブを開催!「出会ってくれてありがとう」
■2025年3月には、全国6都市を巡るZeppツアーを開催! ReoNaのワンマンライブ『 ReoNa ONE-MAN Concert “Birth 2024”』が、10月20日に東京ガーデンシアターにて開催された。 【画像】あぐらをかいてギターを弾くReoNa 前日には同じ会場で、自身が歌唱を担当するTVアニメ『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン(以下、GGO)』に登場する歌姫・神崎エルザ(CV:日笠陽子)との「対バンライブ」となった『神崎エルザ starring ReoNa × ReoNa Special Live “AVATAR 2024”』が開催された。 この日ReoNaが挑むのは、自身の26歳のバースデー当日のライブ。デビューしてから紡ぎ続けてきた「絶望系」の音色は、広く高い東京ガーデンシアターの空間にどう響きわたるのか。チケットは早々にソールドアウトし、注釈付きの指定席を急遽開放するなど、期待値は高まっていた。 蜃気楼のようにステージに登壇したReoNaの選んだ一曲目は「BIRTHDAY」。生まれた日、新しい一年の始まり、それを盛大にお祝いするというわけではなく、あくまでも痛みの先に生まれる明日への希望のステップの一日。続いて「Let it Die」、そして『月姫-A piece of blue glass moon-』主題歌「生命線」、『アークナイツ【黎明前奏/PRELUDE TO DAWN】 』オープニングテーマ「Alive」と切なく、広大な楽曲を紡いでいく。 ReoNaの始まりのお歌「SWEET HURT」から、「unknown」「いかり」「原作者」など、何者でもない、でもたしかにそこにいる“あなた”への音楽が続けて放たれていく。 ステージ上手上部にひっそりとスポットライトが差し込む、デビュー当初から大事に歌い紡がれてきた「トウシンダイ」の時間。じっくりと歌い上げられ、様々な感情がReoNaから客席に向けて放たれる。それを受け取った観客の思いが、グルーブとして会場に渦巻いていく。 バンドメンバーもコーラスとして参加した「Someday」は、ReoNa自身が14歳のときに感じた絶望を詰め込んだ一曲。やりきれない思いと、逃げ切れない現実の間で大人になってきたReoNaは、今ステージの上であのときの自分自身に語りかけるように歌う。 すっとステージの中央にあぐらをかいて、ギターを抱えたReoNaが語った26歳の目標は「免許を取る」こと。少し温かい空気になったところで、トイピアノの鍵盤がReoNaの手で叩かれる。アコースティックで歌い出したのは「絶望年表」。自身の足跡をなぞるように優しく、しっかりと演奏されたその流れのまま「辛いとき辛いと言えたらいいのにな」の言葉から「決意の朝に」(Aqua Timezのカバー)が歌われていく。あぐらをかいたリラックスした姿のまま、絶望と決意を語るReoNaはとてもしなやかだ。 流れはさらにドラマチックに進んでいく。絶望を超え、決意の先に響かせる人間讃歌「HUMAN」はどこまでも強く、伸びやかなメロディーが会場を満たしていく。「ガジュマル~Heaven in the Rain~」は、亡き祖父を思い歌われた一曲。自身の絶望を紡ぐように歌っていたReoNaは、様々な人々の思いを受けられるシンガーに成長している。 熱いバンドセッションのあと、白いワンピースに赤いライダースを羽織ったReoNaから待望の言葉が投げかけられる。「ここからは、立って一緒に楽しみませんか?」ReoNaの号令とともに座っていた客席は一斉に立ち上がり、ここからはラストスパート。シャドウダンサーズ20人を引き連れての「シャル・ウィ・ダンス?」では自身もタップを披露し、会場を埋め尽くした観客とともに踊り、泡沫の享楽を楽しんでいく。 再度黒のライダースに身を包み、自身の代名詞とも言える「ANIMA」では圧倒的な照明とともに、一人ひとりに音楽を通して“魂の色”を訴えかけていく。 「死ぬ気で遊ぶ準備はできてますか?」一体となった東京ガーデンシアターでは、最新曲「GG」がドロップされる。前日の『AVATER』で神崎エルザから譲り受けたギターをかき鳴らす姿は、新鮮かつ最新のReoNaだ。がなりあげるように、そしてときに切り裂くように歌う姿に、客席は温度を上げていく。サビ終わりの気だるげな「Yeah」の声には、ゾクリとさせるロックの雰囲気が漂っている。 新境地を叩きつけていく姿を見せつけたあとにReoNaは、「ReoNaのライブにアンコールはありません」と約束の言葉を放つ。前日の『AVATER』では神崎エルザに請われて禁断のアンコールを披露したが、あれはあくまでエルザの主催ライブ。今日は徹頭徹尾ReoNaの空間だ。 総勢48人のクワイヤーを引き連れて歌われたのは、『ソードアート・オンライン』原作小説刊行10周年テーマソングとなる「Till the End」。圧倒的な世界観のこの楽曲から間髪入れず、光が道のようにReoNaの後方に広がっていく。 「出会ってくれてありがとう」その言葉からライブの最後に放たれたのは、ゲーム『ソードアート・オンライン フラクチュアード デイドリーム』主題歌「私たちの讃歌」。10分40秒にわたる壮大な組曲で歌われるのは「ありがとう」の思いと言葉。すべてのバンドメンバー、クワイヤー、そしてReoNaが感謝を壮大な音楽に乗せて降り注ぐように届けていく。 絶望を救ってくれる曲を探していた少女は、6年のアーティスト活動のなかで希望と未来を歌うシンガーに進化した。まるでこれまでの彼女の足跡を追うような、総勢80名を超えるミュージシャンによる特別なライブは、感動のなかで幕を閉じた。 2025年3月には、全国6都市を巡る『ReoNa ONE-MAN Live Tour 2025 “SQUAD JAM”』の開催も発表された。オールスタンディングのZeppツアーでは、どんな新しいReoNaが見られるのだろうか? 万雷の拍手に涙ぐんだ26歳最初の日、また一歩ずつReoNaは歩んでいく。 TEXT BY 加東岳史 リリース情報 2024.11.20 ON SALE SINGLE「GG」
THE FIRST TIMES編集部