米作りを水田ではなく畑で「楽しく利益を出して苦労しなくていい」秘密は種もみについた「カビ」【SDGs】
<農業法人南玉 町田睦美さん> 「炊き比べをして、食べてもらったが、わからないよねというのがみなさんの感想でした」 新たなコメ作りは環境にもやさしいと期待されます。従来の栽培では地球温暖化につながるからです。 <静岡大学農学部植物圏微生物学研究室 橋本将典准教授> 「田んぼの中に水を張ると土の中の環境が酸素が少ない環境になってしまって、メタンを生成する細菌に関してはメタンガスを副産物としてだしていく。二酸化炭素と同じで、温室効果ガスの効果があると言われている」 人が酸素を吸って、二酸化炭素を吐くように、水田の土の中で生息する一部の細菌が、土の中に枯れた植物を取り込み、メタンガスを出すといわれています。畑で米を作ることによって、このメタンガスが抑えられるとみられています。 種まきをしてから1か月、勝亦さんの畑では苗が生えました。 <勝亦健太さん> 「楽しくて、利益を出して、必要以上に苦労しなくていいような、そういった農業になるためにこのやり方は良いツールだと思っているので」 静岡の農業の未来につながるきっかけとなるだけに、実際に収穫までたどりつけるか、期待がふくらみます。 群馬県の農家に取材をした中で、「畑で種もみをまいた方が、水田で田植えをするより、労働時間は3割減った」と話がありました。現場では生産者の高齢化が課題となっていて、畑での米栽培は持続可能な農業にもつながりそうです。
静岡放送