〈詳報〉南海トラフ巨大地震の想定震源域内が震源、宮崎県南部で震度6弱 震度5強の大崎町は木造2階建て住家が倒壊、志布志港に最大20センチの津波 川内原発異常なし 鹿児島県内
宮崎県南部で8日、最大震度6弱を記録した地震で、鹿児島県内では大崎町で震度5強、鹿児島市、鹿屋市、垂水市、曽於市、霧島市、姶良市、東串良町、肝付町で震度5弱を観測した。県内での震度5強は2021年12月の十島村悪石島以来。17年7月には鹿児島市喜入でも観測している。 【写真】〈詳報〉南海トラフ巨大地震の想定震源域内が震源、宮崎県南部で震度6弱 震度5強の大崎町は木造2階建て住家が倒壊、志布志港に最大20センチの津波 川内原発異常なし 鹿児島県内
大崎町では木造2階建ての住家が倒壊。夫婦2人が室内にいたが、逃げ出して無事だった。指宿市東方の県道では落石があり、片側通行になった。志布志市は、集落近くの高さ約50メートルののり面が崩れ、約40世帯に避難指示を出した。鹿屋市では中学生が合宿中だった串良平和アリーナの天井板が一部落下したが、けがはなかった。 海岸には津波も到達し、志布志港では最大20センチ、種子島熊野、南大隅町大泊ではいずれも10センチを観測した。県は地震発生直後に災害警戒本部を設置し、被害状況などを確認した。ホームページなどで地震情報を随時発信している。 同日午後5時35分、同6時ごろにも日向灘を震源とする地震があり、錦江町で震度2などを観測した。 最大震度6弱を観測した地震での各自治体の最大震度は次の通り。 震度4 出水市、指宿市、薩摩川内市、いちき串木野市、南さつま市、志布志市、南九州市、伊佐市、三島村、さつま町、湧水町、錦江町、南大隅町▽震度3 枕崎市、阿久根市、西之表市、日置市、長島町、中種子町、南種子町、屋久島町▽震度2 奄美市、十島村、喜界町▽震度1 瀬戸内町
◇川内原発は異常確認されず 九州電力は8日、宮崎県南部で起きた震度6弱の地震で、川内原発(薩摩川内市)と玄海原発(佐賀県)に異常は確認されなかったと発表した。 川内原発は1号機が定期検査、2号機は運転中。敷地内に6カ所ある放射線監視装置(モニタリングポスト)の数値への影響も確認されなかった。 気象庁によると、薩摩川内市で震度4を観測した。 ◇JR各線運転見合わせ 宮崎県南部で8日午後4時43分に発生した震度6弱の地震で、鹿児島県内のJR各線は軒並み運転を見合わせた。帰宅客らの足を直撃し、鹿児島市のJR鹿児島中央駅では夜まで混乱が続いた。高速道路も一時通行止めになるなど、県内の交通も大きく乱れた。 JR九州によると、地震発生直後、九州新幹線と在来線の県内計5路線で運転見合わせを決定。九州新幹線は間もなく再開したが、宮崎方面の多くの路線で終日運転を見合わせた。 福岡県から部活で鹿児島を訪れていた高校2年生女子は「家族から心配するメールが来ていたが、今日中に帰れそうでよかった」と話した。
9日は始発から日豊線の延岡-鹿児島、日南線の南宮崎-志布志、吉都線の都城-吉松、肥薩線の吉松-隼人で始発から運転を見合わせる。 霧島市の鹿児島空港では地震直後、滑走路を閉鎖。点検作業のため一時離着陸ができなかったが、午後5時前に安全が確認され、閉鎖が解除された。東九州自動車道野方インターチェンジ(IC)-曽於弥五郎ICも路面状況などの確認のため一時全面通行止めとなった。
南日本新聞 | 鹿児島