思い入れがあるから余計につらい…『進撃の巨人』死んでほしくなかった調査兵団メンバーたち
■あっけない最期が辛かったペトラ・ラル
続いてはペトラ・ラルだ。ペトラは、リヴァイ班に所属する唯一の女性キャラである。最前線で活躍するところからも、能力の高さがうかがえた。 ペトラが死んでしまったのは、女型の巨人との戦いだ。女型の巨人はエレンを狙って襲いかかり、リヴァイ班はじめ調査兵団の面々はエレンを守るため戦った。女型の巨人は恐ろしいスピードで団員を次々と倒していく。そこでエレンは、自らが巨人になって加勢しようとする。 しかし、エレンの巨人化はまだ不完全だったため危険で避けたかった……。そこでエレンを説得したのがペトラだ。「…信じて」と訴えかける彼女のおかげでエレンは巨人化を止めたが、結果として次々と犠牲者が出てしまう。それでも全員で協力して、女型の巨人の捕縛には成功した。 しかしほっとしたのは束の間、女型の巨人はそこから動き出すとエレンを再び狙い始める。その時ペトラたちは、たった3人で戦うしかなかった。それでも戦力の差は明らかで、彼らはあっさり死んでしまう……。 ペトラはエレンにとって頼れる先輩となりそうな心優しいキャラだったのに、あまりにあっけなく無残な最期を迎えてしまい、思わず「何故だ!」と叫びたくなってしまった。
■最後の最後までかっこよさを見せつけたハンジ・ゾエ
最後は調査兵団で隊長を務めているハンジ・ゾエだ。メガネが印象的で、ベテランでもあるためリヴァイや部下からも信頼が厚い。 ハンジは巨人を研究するためには危険な行為もいとわず、その姿勢はちょっと怖いくらいだが、すべて人類のためを思ってのことである。かなり熱い気持ちを持っている人物で、最期のシーンにはそれが集約されていた。 地鳴らしによって巨人たちが迫る中、リヴァイたちが飛行艇での脱出を試みるために、ハンジは時間稼ぎを買って出る。自分の番がようやく来たと語り、巨人の大群に向かっていったのだ。 流石にハンジひとりで巨人の大群を止めるのは不可能。しかし、ハンジは懸命に戦って飛行艇が飛び立つまでの時間を十分に稼いだ。そして飛行艇が飛び立つ時、ハンジは巨人の高熱に焼かれて落ちていく……。落ちていくハンジを見届ける全員が、苦しい思いをしながら涙を流していた。 最後の最後まで潔くカッコいい姿を見せつけたハンジ。死んでしまったことは残念だが、その熱い気持ちが十分に伝わり、何度見返しても感動してしまう。 『進撃の巨人』は戦争をしているからこそ、男女問わず多くのキャラが次々と命を落とす。そこにはそれぞれのドラマがあり、思わず胸が締め付けられるものばかりだ。 「もし生きていたら」そんな考えても仕方がないことをついつい考えてしまう……。
大山元