「蓮舫知事」誕生したら…都議会与党の立民・共産は圧倒的少数 小池百合子氏は克服したが
ある自民都議は、蓮舫氏をこう牽制する。
都政の混乱は過去にもあった。平成28年に小池氏が知事に初当選したときは、旧築地市場(中央区)を豊洲市場(江東区)に移転する計画の延期を掲げた。当時対立関係にあった自民が猛反発し、都議会の審議は空転した。
■小池知事も当初は少数
ただ、小池氏も初当選当時、都議会では自身に近い勢力をほとんど持たない状態だった。29年の都議選で都民ファの公認と民進党を離党した無所属、選挙協力を行った公明などの当選議員をかき集めて、ようやく過半数を制した経緯がある。このとき民進党の代表は蓮舫氏だった。
仮に今回蓮舫氏が当選すれば、厳しい都政運営は1年で終わり、次の都議選では往時の小池氏のように、過半数を構成できる可能性があると指摘する向きもある。次期都議選では都民ファは小池氏という旗印を失い、厳しい戦いを強いられる可能性があるからだ。
「蓮舫氏が当選する『もし蓮』なんて考えたくない。胃が痛くなってしまう」。都民ファの幹部はこう漏らす。都政関係者は「小池氏が落選すれば、都民ファは瓦解するだろう」との見方も示す。
旧民進の流れをくむ立民都議は、「都民ファの都議ら7、8人をこちらに受け入れ、日和見が上手な公明まで抱き込めば、共産と合わせて過半数も夢ではない」と強気の言葉も口にする。蓮舫氏自身も、5月の出馬表明会見では「反自民」を掲げても、公明への批判は巧みに避けていた。
蓮舫氏が往時の小池氏と同じ道をたどることができるかどうか。蓮舫氏側の皮算用をあざ笑うように、東京都に地盤を置く自民の閣僚経験者はこう語る。
「小池氏は都知事選に初めて挑んだとき、自民に砂をかけて出て行ったとはいえ、保守的な支持層からの支持を得ていた。今回、共産と露骨に協力する蓮舫氏が、知事選のハードルを簡単に突破できるとは思えない。来週出すという公約だって、お得意の『ブーメラン』を何本投げるか楽しみだ」(植木裕香子)