海溝の崖、急激に形成か 1分間で60メートル隆起し崩落
宮城県沖の日本海溝を潜水艇で調査し、東日本大震災の地震で断層がずれてできたとみられる高さ26メートルの崖を発見した新潟大の植田勇人准教授(地質学)が27日、東京都内で記者会見し、崖は約1分の間に急激に隆起した地盤の先端が崩落してできたとみられると説明した。 植田氏によると、崖下の斜面で見つかった岩塊は軟らかく、1~2センチの泥がかぶったような状態だった。周辺では10年で1センチ程度の泥が堆積するとされており、崖が2011年3月の地震の際にでき、岩塊は崩落した地盤の一部とする見方と合致するとしている。 植田氏は22年9月、水深1万1千メートルまで潜ることができる海外の潜水艇で、東日本大震災の震源域である宮城県沖の水深約7500メートルの日本海溝を調査。これまでの音波による探査で地形の落差が大きいことが分かっている地点を選んだ。海溝の底から潜水艇を進めると崖が現れ、上昇しながら高さを測ると26メートルあった。底から崖の上部までは59メートルだった。