美 少年、どんな曲も自分たちのものにするテーマパーク “六者六様”の世界観で満たした横浜アリ公演
MCでは浮所飛貴と藤井直樹の“暖色兄弟”誕生も?
MCを挟んで登場した藤井は森の中を探索するような世界観を表現しながら「秘密」(二宮和也)を披露。ゆっくりと歩いてセンターステージに登場した佐藤は、自身が作詞を務めたオリジナル曲「To You」をピアノ演奏で披露。タイトルにふさわしく“キミ”に向けてエールを送るような楽曲を終えた後、にっこりと笑顔を見せ安堵すると、会場からは彼の挑戦を激励するような歓声と拍手が送られていた。 岩﨑のソロパートでは本人が作詞・作曲したオリジナル曲「We're gonna be a star」で会場を魅了。「(会場の)上の上も、端の端も全員置いていかないからね!」と言い、会場の団結力を高める岩﨑らしいステージを見せた。続く浮所飛貴はSixTONESの「Mad Love」でステージをベッドに見立て、枕を抱き歌う。その姿は明るく元気な浮所のイメージからはかけ離れたダークな印象で、新たな一面を見せていた。 再び集結すると「Boom SHAKALAKA」からのダンスブレイクで怒涛の追い込み。美 少年のクールでダンサブルな一面を見せつけた最後には火花に囲まれる中「Flicky」で、会場のボルテージをもう1段階上げていた。 本編の最後には、2021年に公開された浮所が主演を務めた映画『胸が鳴るのは君のせい』の主題歌にも起用された「虹の中で」を爽やかにパフォーマンス。王道アイドルとしての魅力を持ち合わせている6人が、とびっきりの笑顔で歌唱し、カメラにアピールする姿は、まだまだ終わってほしくないと望む観客に、またすぐに会えることを約束するかのようなポジティブなパワーで溢れていた。アンコールでは「Super Boy」と「Compass」、雰囲気の異なる2曲を披露。3つの世界観を表現した可動式のセットの中に去ってゆき、テーマパークのような2時間のステージはフィナーレを迎えた。 実は6人全員がソロ曲を披露したのは、今回が初めて。そのステージは、今回のツアーグッズの1つ、ジャンボうちわの裏面を一人ひとりがプロデュースし、あえて統一されていないのと同様、まさに“六者六様”だと感じた。その一方、6人のステージには、どんな楽曲であれ、まとまりを感じる。それは、6人がお互いの個性に寄り添い合える、幅広い表現力を持ち合わせているからなのだと再確認させられるようなステージであった。 また、6つの“Gates”から登場した6人が、ファンと共に1つのステージを作り上げ、6つの“Gates”へと再び戻っていく構成は、まさに個人としてもグループとしても活躍をする今の美 少年の姿を体現していたようだった。王道らしく爽やかで前向きな楽曲はもちろん、大人っぽくクールなパフォーマンスをも、自分たちのものにするテーマパークのようなステージ。今後、6人がどんな世界へと連れて行ってくれるのか楽しみにしたい。
於ありさ