BL東京、リーチ主将「すごくきつかった」死力を尽くした逆転劇/リーグワン
リーグワン1部第1節最終日(22日、横浜21-28BL東京、日産スタジアム)昨季王者のBL東京が、最大16点差をはね返して同4位の横浜に28-21で逆転勝ち。昨季MVPのSOリッチー・モウンガ(30)が巧みにチームを操って開幕白星に導いた。 見慣れた赤ジャージーを敵地で水色に替えたBL東京が、息を吹き返した。主役は昨季のMVP、SOモウンガだ。 0-16と劣勢の前半33分、自陣ゴール前のスクラムから、それまではキックで陣地を挽回していたのを、展開して前進を続けた。最終的に39分のFB松永のトライまで持っていき、差を9点に縮めて前半を終えた。 「大きく蹴り返しても守備が長く続くことの繰り返しだった。それなので、試しにボールを動かしてみた。あの7分間が後半につながったよ」 モウンガは笑顔で振り返った。14-16の後半15分にはCTBタマニバルのショートパントを自ら追いかけ、巧みにキャッチして逆転トライ。前半と後半に1度ずつ、グラウンディング寸前の相手のボールの下に入るなどしてトライを防いだ。後半23分に追いつかれたが、再び勝ち越し。まさに八面六臂(ろっぴ)の活躍で勝利に導いた。 「いつもは僕が蹴ってタマニバルが追いかけるのにね。トライセーブはそこにいれば誰もがすること。キックチャージは勝ち越されたくなかったからだ」。普段通り、偉ぶらずにモウンガは答えた。 「すごくきつかった」とNO・8リーチ主将は胸をなで下ろす。「モウンガは、チームを勝たせるためのきっかけをいろいろつくってくれる。彼がバテているのを久しぶりに見た」。まさに死力を尽くしての白星だ。 次節には日本代表の欧州遠征でレッドカードをもらったLOディアンズの出場停止も解ける。さらに加速する材料を得た王者が、ロケットスタートを目指す。(田中浩)