消えゆく「部活動」と進む「地域移行」…地域に根差したスポーツクラブは課題解決のカギとなるか
ヨーロッパの制度に感銘受け設立 3歳から70代まで1800人が在籍してきた陸上クラブ
四国中央市の妻鳥小学校でてきぱきと準備作業を行う石川幸雄さん(62)。30代の頃、石川さんがこの地に設立したのが「川之江陸上クラブ」です。 石川さんと子供たち: 「駅伝出たい人こっち希望の区間、長さが違うから駅伝でたい人こっちね」 やりたい競技を、やりたい時に。一人一人の自主性を尊重するのがクラブの方針です。 石川さん: 「ひょっとしたら中には愛媛県のトップレベルに行けそうな子もいるが、そればっかりを考えてやるのではなくて、何が楽しいかで試合の練習をするのが楽しい場合もあるし、遊ぶのが楽しい場合もあるしそれぞれの思いで色々やれる幅を持っている」
そしてもう一つ、このクラブの大きな特徴が… 石川さん: 「100mの県の(マスターズ75歳以上の部)記録保持者です」 幅広い年齢層です。現在クラブ最高齢となるこちらの70代の女性。 70代の女性: 「もう孫みたいなものですからねみんな」 3歳から70代まで。クラブには創設以来、これまでに1800人以上が在籍してきました。
大学生の頃、ヨーロッパで古くから地域に根付いているスポーツクラブの存在を知った石川さん。オリンピック選手が地域のお年寄りや子どもたちと一緒にスポーツに励んでいることに深い感銘を受けたと言います。 石川さん: 「自分が作ったら全部その場で解決というか対応できるかもしれないということで(愛媛県の)端ですけど頑張っていったらみんなが元気になれるのかなと思うが自分にやれることなんか限られているけど自分としては川之江を強くしたいという思いはもともとありましたので」 愛媛の東の端、川之江から愛媛の陸上を盛り上げたい。強い信念のもと立ち上げたあの日から23年。石川さんが作り上げた“地域に根差したスポーツクラブ”が課題解決のカギを握る時代がやってきました。
2022年に国がガイドライン策定 「休日の部活動」の地域クラブへの移行目指す
講師: 「生徒が地域においてスポーツを行う機会を確保するためには質・量ともに十分な指導者が不可欠であると」 11月中旬、松山市内に集まっていたのは県内のスポーツ指導者たち。議論されていたのは‟部活動の地域移行”についてです。 県スポーツ協会 尾和祝専務理事: 「地域が面倒を見る、複数の小学校や中学校が集まって教育活動をしていく、そういう方向にならざるを得ないと思う。地域の人が一緒になって盛り立てていくというのは(地域の)コミュニケーションというか交流にとっても非常にこれからは大事になってくる」