20代以上、5割弱が鉄道「乗らない」 県アンケート結果、利用拡大へ取り組み必要
県が20代以上の県民を対象に実施した鉄道利用に関するアンケートで、5割弱が「利用しない」と回答した。「利用している」と答えた人も9割が1カ月に数回かそれ以下の乗車にとどまっていた。通学で乗ることが多い高校生を除いた結果だが、利用拡大に向け、さらなる取り組みの必要性が浮き彫りになった。 アンケートは7月、インターネットで県内の千人と県外の5千人を対象に実施し、今回の結果は県内分。普段の鉄道利用状況を尋ねた回答で、最多は「利用しない」の46.9%で、「1カ月に数回」が4.1%だった。比較的頻繁な「ほぼ毎日」「週に5日程度」「週に3、4日」「週に1、2日」は1%に満たず、「それ以下」が46.4%だった。 鉄道の利用目的(複数回答)はレジャーや観光が最も多く64.8%、友人や家族に会いに行く18.4%と、イベント参加の11.9%が上位。駅や駅周辺のイベントに鉄道で行くきっかけ(同)については、「運賃が割り引かれるサービス」が52.8%、「イベントの割引クーポンが付いてくる切符」が32.5%、「駅からイベント会場までの移動手段がセットになっているチケット」30.5%などだった。
鉄道を利用したくなる施策(同)は、利用回数に応じたポイント付与が最多の32.2%。運行本数増による待ち時間短縮28.9%、定期的なお得なチケット発売27.9%が続いた。 県や沿線自治体、JRなどで組織する「やまがた鉄道沿線活性化プロジェクト推進協議会」は、10月に鉄道を使ったイベント参加を促すデジタルスタンプラリーを初めて実施した。年度内には県内公共交通・鉄道沿線の総合情報ポータルサイトを設ける。 協議会事務局の県総合交通政策課は高齢化の進行に従い、公共交通機関の需要が増えると指摘。全ての人々が安全・安価で容易に利用できる鉄道やバスなどの公共機関の確保は持続可能な社会づくりの上で不可欠だとし、「アンケート結果を踏まえ、さらなる利便性の向上と地域と一緒となった沿線活性化に力を入れる」としている。 【鉄道を利用したくなる施策】 (主なもの、複数回答) ・利用回数に応じたポイント付与(32.2%)
・運行本数を増やして待ち時間を短縮(28.9%) ・定期的なお得なチケット発売(27.9%) ・駅の中や周辺に日常利用する施設がある(24.7%) ・地域産品の販売所がある(18.8%)