「安パイを狙いに行くんじゃなくて…」3度の日本一を経験する東京SGルーキー、高本幹也が意識する“短期決戦”のポイントは?
これからの短期決戦で意識する点を聞かれ、改めて蹴り合いに触れた。 「『安パイ』を狙いにいくんじゃなくて、普段の練習でやっている通り、いいキックを蹴っていけたらいいかなと思います」 秩父宮で行なわれるセミファイナルでは、今季の直接対決で0勝2敗の東京ブレイブルーパス東京とぶつかる。先方は、高本と同じスタンドオフにリッチー・モウンガを起用する。長らくニュージーランド代表だった29歳だ。 期待の若手スタンドオフが同じポジションで世界的な名手と対峙する時は、「対面対決」が注目されがち。その見立てに、集団競技としてのラグビーを生きる高本はかように応じる。 「あんまり意識しないんですけど、この前のクボタ戦のフォーリー選手(スピアーズのスタンドオフはオーストラリア代表経験者のバーナード・フォーリーだった)とか、モウンガ選手とかは、試合をやっていてうまいなと思う。そういう選手になりたいな…と」 田中澄憲監督曰く、「ラグビー小僧」。このスポーツを軽やかに愛する。 語ったのは15日。府中市内でトレーニングを公開し、取材を受けた。話が一段落すると、帝京大の5学年先輩でもある堀越康介主将がその場にやってくる。インタビューイの交代だ。堂々たる新人は、「堀越さん、入りまーす」と微笑んで辞去した。 取材・文●向風見也(ラグビーライター)