片岡仁左衛門&坂東玉三郎 半世紀以上の名コンビが『婦系図』で初共演 「今の私たちを見ておいていただきたい」
歌舞伎俳優の片岡仁左衛門さん(80)と坂東玉三郎さんが、東京・歌舞伎座で上演される『錦秋十月大歌舞伎』(10月2日初日)・夜の部『婦系図(おんなけいず)』の取材会を行い、演目の印象を語りました。 【画像】片岡仁左衛門「彼とは半世紀以上コンビ」 坂東玉三郎と18年ぶりに与三郎とお富で共演 演目は、1908年に新富座で初演し、早瀬主税(はやせちから)とお蔦(おつた)の別れを描く物語。これまで5回にわたり、早瀬主税を演じてきた仁左衛門さんと1983年以来、41年ぶりにお蔦を演じる玉三郎さんにとって、今回『婦系図』での共演は初めてとなります。
仁左衛門さんは、「2人でお仕事をすることは楽しいもんですから、私も(早瀬)主税は好きなお役ですし、初めて大和屋さん(玉三郎さん)のお蔦で、私もこれまで5回。もう一度、勉強をし直してやりますんで、ぜひ覧ください」と話しました。
そして、41年ぶりにお蔦を演じる玉三郎さんは、「舞台に立ってみないとわからない。“無事にできるかしら”という気持ちで。特に初演は新橋演舞場だったし、歌舞伎座広いのね。広いところで、2人ぶつぶつ別れ話しなきゃいけない。駆け出したりとか若々しく動かなくちゃいけないのお蔦って。それができるかしらって、いくら稽古してみたところで、やってみなければわからないところがあるのね。お蔦ができたら、次が考えられる感じですね」と語りました。
また、仁左衛門さんは「今の私たちを見ておいていただきたい。これから正直、2人とも年を重ねていきますから。どんどんと、色んなお芝居は難しくなっていきますから、今の間に見ておいていただきたい。いつも大和屋さん(玉三郎さん)と言ってるんですけど、半世紀以上コンビを組ましていただいて、それでお客様が喜んでくださる。本当にありがたいことなんですよね。残念ながら体力的にも衰えていきますから、いつまで続くか、そしていつまでみなさんのご支持をいただけるか、それが不安でもあり、そうならないよう頑張らなければいけない励みにもなる。とにかく刹那(せつな)、刹那を大事に生きていく、瞬間瞬間を見ておいていただきたいとも思いますね」と話しました。