春キャベツは「若いうちに収穫したキャベツ」ではない!違いと選びかたを野菜ソムリエが解説
毎年、春本番を迎えるとスーパーの店頭に並ぶようになる春キャベツ。 だいたい3月から5月頃にかけて出回り、やわらかくてみずみずしい葉が魅力的な春キャベツですが、なんとなく「ふつうのキャベツを早めに収獲したものかな?」と思っていませんか? 【画像】春キャベツは「若いうちに収穫したキャベツ」ではない!違いと選びかたを野菜ソムリエが解説 今回は、野菜ソムリエ・気象予報士・防災士の資格を持つ植松愛実さんが、冬と春のキャベツの違いと、選ぶときに覚えておくべきポイントを解説します。
そもそも品種が違った!
春キャベツと同じ時期にスーパーに並ぶ野菜として新じゃが(新じゃがいも)がありますが、新じゃがの場合、通常のじゃがいもを早めに収獲して乾燥させずに出荷したものなので、品種は変わりません。 じゃがいもの品種と言えば男爵いもやメークインですが、「男爵いもの新じゃが」や「メークインの新じゃが」がそれぞれ存在する、という具合です。 一方、キャベツに関しては、通常のキャベツを早めに収獲したら春キャベツになる…というわけではありません。 冬に旬を迎える通常のキャベツとは、そもそも品種が異なるのです。
暑さが苦手なキャベツを工夫した結果
もともとキャベツはすずしい気候を好む野菜なので、冬に収穫時期を迎え、かつては気温の高い時期に食べることはできませんでした。 それを、品種改良や産地の変更によって、春~初夏にも出荷できるようにしたのが春キャベツです。 つまり、通常のキャベツ(冬キャベツと言います)とは異なる品種ということ。 実際、冬キャベツが扁平な形(真横から見ると楕円形)であるのに対し、春キャベツはまんまるの球形で、断面の葉も冬キャベツより黄色く、見た目にも結構違いがあります。 ちなみに、さらに工夫を重ねて夏~秋にも収獲できるようになった夏キャベツ(夏秋キャベツとも)というのもあり、群馬や長野の山沿いなど、夏でも気温が低い高原地帯で生産されています。
春キャベツは選びかたも違う!
スーパーで野菜を選ぶとき、同じ大きさならずっしり重たいものを選ぶようにしている人は多いのではないでしょうか。 キャベツについても、冬キャベツであれば重いものを選ぶのが正解ですが、春キャベツは違います。 春キャベツを選ぶときは、大きさのわりに軽いものを選びましょう。 軽いほうが、葉がふんわり巻いていて、やわらかくてみずみずしいものを選べるのです。 ちなみに、芯(軸)については冬キャベツと同様、断面が500円玉サイズかそれより小さいものを選ぶのがおすすめです。